※執事パロディです。








「first name様…!」

メイドたちの声が響く廊下。またあいつはなんかやったのか…と、この屋敷一の問題児である彼女の顔を思い浮かべながらため息をついた。全く、どうしてこうも煩く出来るのだろうか。

「シリウスシリウスシリウスー!」

「一度呼べば分かりますと何度言ったら分かりますか。」

「大変なの!」

花瓶を割っちゃった!と舌を出して笑う彼女。なぜ俺に頼んだりなんかするんだ…そのへんのメイドにやらせればいいのに。

「メイドがいるでしょう、彼女たちに頼め。」

「シリウス…敬語…。」

これは失礼いたしましたお嬢様、と笑うと彼女はムスっとした顔で部屋から出ていく。これでやっと落ち着いて仕事が出来る…。



しばらく机に向かって仕事をしていると、不意に扉が開いた。また問題でも起きたのかと今日何度目かのため息をつくと、彼女の体がびくつく。

「なにか用ですか。」

「怒ってる…?」

顔をあげればドア付近に立っている彼女。その表情は不安げで、思わず立ち上がって隣へ向かう。

手をとって向かうのは自室のソファー。そこにお嬢様を座らせると自分は床に方膝をついた。

「怒ってない。」

「だから敬語…。」

すみません、と言うと彼女はほっとしたように「怒ってると思った」と言った。

「怖かったのか?」

「うん…だって、」

好きな人に素っ気なくされたら苦しいでしょう?なんて彼女は笑った。薄々気付いていたが、まさかあの悪さばかりする女の子にこんな駆け引きが出来るなんて。

「失礼ですが、私はボインが好きなので。」

だからこっちも、少しだけ駆け引き。

「シリウスのくせに…!」

顔を真っ赤にしながら言う彼女。すかさず耳元で囁く俺。


「おっきくなったら、もらってやるよ。」

途端、顔から湯気が出んばかりに真っ赤にして部屋から走り去った彼女。少し大人気なかったか?なんて後悔するが、次の日のお嬢様の発言に俺の頭はクラクラした。


「シリウスが揉んでおっきくしてよ!」



お嬢様の憂鬱





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20111019



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