やっとのことで布団から出て、離れたくないと駄々をこねるドラコを布団に閉じ込める。久しぶりの休みだから、今日は早く起きてお出かけしたかったのに。ふん、と拗ねてキッチンで朝御飯の支度をしていると、腰にスッと手が巻かれた。

「いい匂いがする。」

耳元で突然声をかけるので、私の肩はびくっと跳びはねた。それを面白く思ったのか、耳朶を唇で挟む彼。火を使うから危ないでしょう、と注意しつつ満更でもない私のことを、彼が分からないはずがない。朝御飯よりこっちが食べたい、とより強く腕を回す。

「私、久しぶりに買い物に行きたいんだけど…。」

早く朝御飯食べちゃおうよ、と甘えた声を出せば、渋々彼も了承してくれた。スクランブルエッグがふわふわに出来て、ベーコンも美味しそうにカリッと焼けたし、スープも昨日の残りを温めて、部屋中いい匂いが立ち込める。

「ドラコ、朝御飯出来たよー!」

布団に戻ってゴロゴロしていた彼を無理矢理起こし、一緒に朝御飯を食べる。彼の家は裕福だから、こんなありきたりな食事なんて喜んでくれないだろうかと最初は心配していたが、「美味しい」と言うんだから満足してくれてはいるんだろう。彼の家に遊びにいったときはハウスエルフが全てやっていて、それはそれで驚いたけれど。

今日はどこに行こうかな。新しく出来たショッピングモール?お気に入りのブランドでもぶらぶら見に行こうか。気分のいい私を見て、彼はどう振り回されるのかと考えているようだ。




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