ど う し て こ う な っ た。
前にはジョセフさん(と呼ぶように言われた)とアヴドゥルさん、隣には空条くん。
今は私を含むこの4人で空条家を目指している。理由は言わずもがな、ジョセフさんに押し切られてしまったからである。
ううう、これが断りきれない日本人の性なんだね…!


「悪いな名字」

「あ、うん、大丈夫だよ」


空条くんがさりげなくそう言ってきた。
うわ、何か可愛い。強面でかなりガタイのいい空条くんだけど何か今のは可愛かった。格好いいのに可愛いとか反則だよね。
かっこ可愛いよ空条くん、かっこ可愛い。

何かさっきから空条くんに対する好感度がぎゅんぎゅん上がっているのが分かる。
ギャルゲ的に言うとそろそろ攻略ルートの分岐に入りそう。どんだけちょろいのさ私。自分で言って悲しくなってきた。

内心ブルーになりながら空条くんに「気にしてないから」って言ったら空条くんも少しだけ険しかった目元を緩めてくれた。


「ありがとよ」

「いえいえ、こちらこそイケメンご馳走様です」

「は?」

「あれ、自覚なし?空条くんって格好いい部類なんだよ。しかも物凄く。いっつも女子にきゃーきゃー言われてるじゃない」


あらら、空条くんは無自覚だったのね。無自覚イケメンって罪だわー。
いや自覚ありすぎてもナルシーで引くんだけどね。


「うるせぇ女は嫌いだ」

「ああ、それは全面的に同意かな。なんて言うかはしたない気がしない?」

「その点名字はうっとおしくなくて助かるぜ」

「ありがとね。私は内に秘めとくタイプでして。ほら『あの子超可愛い。prprしたい』とか言ったら引かれるじゃないですか」

「流石にそれは引くぞ」

「うっわ、真顔で返した!」


こいつ、できる……!
なんて。

いや空条くんって意外と話しやすいかも。決して饒舌ではないけど何か話てて楽しい。
ちなみに私はおにゃのこが大好物ですはい。可愛い女の子もキレーなお姉さんもどっちもイケます。柔らかそうな二の腕も好きだし、きゅっとしまった足首もそそります。胸だってまな板からビックメロンまでどんと来い!あ、でも個人的には巨乳より美乳派です。
人間自分に欠けたものを求めちゃうっていうけどホントそうだよね。
え?何が私に欠けてるって?


全部だよ。
言わせんな馬鹿。











「きゃー!パパッ、パパッ!見て見て!承太郎ったら女の子うちに連れてきたわ!」

「るせえぞこのアマ」

「きゃーっ!怒ったー!」


何なの。なにマジ何なの。空条家マジ何なの。
休日に散歩、ジョセフさんアブドゥルさんに捕まる、空条くんにばったり、空条家に行く、空条くんのお母さんとご対面。イマココ。
ってか空条くんのお母さんすごい若いな。45とか見えない。いや見た目も若いんだけど、「きゃーっ!怒ったー!」とか言って私の後ろに隠れる45歳ってどうなの。
自慢じゃないがうちの母がやったら放送事故レベルだ。いやマジで自慢にならなかった。おうふ。


「ホリィさんも承太郎もそこまでにしておいてくれ。名前が困っている」

「あ、アヴドゥルさん……!」


先生、アヴドゥルさんが男前です、どうすればいいんですか!?
エキセントリックな髪形だけどアヴドゥルさんまじ常識人。ありがとう!なんか空条くんのお母さんに説明とかしてくれてありがとう!


「そう、じゃあ彼女は承太郎じゃなくてパパが連れて来たの?つまんなーい」


ぶー、とほおを膨らます空条くんのお母さんの可愛さプライスレス。私は40代もガッツリ守備範囲ですよ奥さん!
関係ないけど奥さんって呼び方なんかエロくない?昼ドラの浮気みたいで。
まあゆうても昼ドラ見たことないんだけどね!


「取り敢えず、初めましてお嬢さん。承太郎の母のホリィです。気軽にホリィとか聖子ちゃんって読んでね!」

「はぁ…」

「なにが聖子ちゃんだ。歳考えろババア」

「む、母に向かってなんて口のきき方だ承太郎」

「ま、まあジョセフさん。……あ、えと空条くんのクラスメイトの名字名前です。よろしくお願い、します?」


言いながら何を宜しくするんだとセルフつっこみが入ってしまったので最後が疑問形になってしまった。
あははとごまかすように笑うと何を思ったのかホリィさんは抱きついてきた。


「きゃあっ!かわいー!承太郎もかわいいけどやっぱり女の子はいいわね!着せ替えとかしたくなっちゃう!ウチの子になっちゃえばいいのに!」

「えええ、空条くんが可愛いのは全面的に同意なんですが後半はちょっと……。私もホリィさんは超可愛いと思ってますけど会ったばっかだし何より日本は同性婚とか認められてないんで]

「お前何ばか言ってやがる」


軽くボケたら空条くんが拾ってくれました。
いや、彼的には単に常識的なこと言っただけなんだろうけどさ。つっこみとかしたつもりないんだろうけどさ。やっぱこうやってボケがスルーされないのはなんか嬉しいよね。


「おら、いい加減名字を放しやがれ。客間に連れてくから後で茶でも持ってきてくれ」


頃合いを見て空条くんが私とホリィさんを引き離してくれた。


いやーホリィさんはいいかほりでした。
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