「あ、その……もう中学生だし、男の子を名前で呼ぶのってなんかちょっと恥ずかしいっていうか、不二君も嫌でしょ…?」


うぐっ、苦しい言い訳…!だけど結構ありじゃね!?中学生って言ったら思春期ど真ん中だよ。こういう微妙な心境の変化があっても不思議じゃないはず。
ぐっじょぶ自分!自画自賛?へっ、構うもんか!
なんて感じで私がそんなことを考えていると不意に不二周助改め不二君が私の手を引いて歩き始めた。
え、ちょ、え?


「学校、急がないと遅刻してしまうよ」

「あ、うん。おっしゃる通りなんですがね、」


この手が解せぬのですよ。何故繋いだし。
そんな私の思考を読んだのか不二君はくすりとそれそれは綺麗に笑ってみせた。


「昨日ふらついたでしょ。今日もちかまだ心配だからこうやって行こうかと思って。歩くの速かったら言ってね?」

「あ、ありがとう」

「幼なじみなんだから変な遠慮は今更だよ。でも、どういたしまして」


うわああああああ何だこのイケメン予備軍!これがあと2年後にはあのふつくしい不二先輩になるのか。というか今さらっと幼なじみって言ってたよね。それに昨日の様子だと家族ぐるみでお付き合いしてるって感じだ。へー、覚えておこう。


「あ、それからね、名前が嫌じゃなかったら僕のことまた周助って呼んで欲しいな。……ダメかな?」

「えっ…と、不二、じゃなかった、周助が嫌じゃないなら」

「うん。寧ろ名前に不二君って呼ばれる方が嫌だな。距離ができたみたいで」

「そっか、ごめんね」

「気にしないで。ああでもそうだなぁ」

「ん?」

「名前が僕のこと男の子って意識してくれてるのがわかって、ちょっと嬉しかったな」


……前言撤回。
不二周助改め不二君改め周助は既にイケメン予備軍ではなくテライケメンだった。


ねぇこれ何てフラグ?
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