「ごめん名前、僕がもう少し早く君の危機に気付けていれば……!」
抱き締められたと自覚するより先にそんな声が降ってきた。
無骨な鎧は解かれて、薄い布の下の逞しい体躯を感じてぎゅっと心臓が収縮した。
王子みたいに格好良くて、甘い声で。まるで恋人にするように抱き締められている。
命の危機が去るとそのことを改めて認識してしまって、身体がどうしようもなく熱を帯びる。
しかし自分を心配してくれるこの腕を振り払うことはできず、かといって腕の中で何をすればいいかも分からなくて、赤くなった頬を隠すようにセイバーの胸に顔を埋めた。
「僕が、君を護るから」
とくとくと、セイバーの命の音が聞こえる。
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旧セイバーがイケメン過ぎて辛い。