新しい下着を買いました。
















錫也に内緒で。
新しい下着を買いました。
いつものより少しフリルが多めで淡いピンクの可愛いやつ。
セクシーというよりはラブリーめで。
さて。今宵の錫也は果たしてどんな反応をしてくれるだろうか。







お風呂から上がって下着を身につける。
錫也は私より先に入っていたためリビングでテレビを見ながら濡れた髪をタオルで拭いていた。
私は一人ドキドキしながら、とりあえずルームウェアを着て錫也の隣に歩み寄る。



「ん?名前、上がったのか?」

「う、うん」

「こっちにおいで」



錫也は手招きする。
私は導かれるように錫也の膝の上にちょこんと座った。
錫也が後ろから私の首筋に顔を埋める。
「ひゃぁ」と小さく悲鳴を上げた私にクスクス錫也は笑った。



「お前、首筋弱いよな」

「錫也がいきなりするから…」

「でももっと弱いところ知ってるんだけど?」

「え?どこ?」



そう問うや否や、錫也は私の耳朶を優しく甘噛みした。
頭のてっぺんから足先まで電流が走る。
ゾクゾクッとして私は身震いをする。
そんな私の反応に気をよくしたのか錫也の耳攻めはどんどんエスカレートしていく。
耳裏を舌で舐められ、私は「ぁ…」と自分のではないような声を出してしまった。



「名前、感じた?」

「錫也のえっち」

「ははっ名前 、男はみんなえっちだよ」

「〜〜っ、意地悪」

「お前が可愛いから意地悪したくもなるんだよ」



錫也は再び笑って私を抱き抱える。
そして連れて行かれたのは寝室。
ドサッと私をベッドに下ろし、錫也は私の唇を親指で撫でる。
その瞳は私を映していた。
そして「キスしていい?」と尋ねる。
私は何も言わずに頷く。
やっぱり何度経験しても、始まりの合図は緊張する。
錫也の唇が私のそれに重なる。
最初は触れるだけ。
でも段々深く、求め合うような激しいキスに変わっていく。



「ん…っ」



錫也が私のルームウェアに手をかける。
プチンプチンとボタンを外していく。



「お前…これ、」



錫也は驚いた様子で私の目を見て言った。
でも次の瞬間、フッと微笑んで淡いピンクの下着に触れる。



「新しいの買ったの?」

「……うん」

「可愛いな」



脱がすのが勿体ないくらい、と錫也は目を細めて言う。



「お前は色が白いからピンクが似合うな。いや、どんな色付けても似合うと思うけど」

「ありがとう」



錫也の頬がほんのり赤い。
照れてる、のかな?
そんな錫也にいとおしさが溢れる。
はにかんで笑うと錫也は私の頭を撫で、「お前は本当に可愛いな」と呟いた。




錫也のために選んで買った下着は、錫也によって脱がされる。
それは私が仕組んだ甘い甘い罠。



今夜も熱い夜になりそうだ。























‥fin‥