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----夕雨side


本に一通り目を通して、思わず溜め息をついた。

予想以上に自分は力を手に入れてしまったようだ、ってね。


「まさか精孔まで開けられてるとはね・・・」

最も、系統は自分で調べろ、って書いてあったけど。

あれですか、水見式だっけ?
それをやれと。

・・・正直めんどくさいです、はい。

まぁ、やるけどね。


お姉ちゃんが本を閉じたのを、視界の端っこでとらえた。


「お姉ちゃん読み終わった?」

「うん。夕雨も読み終わったみたいだね」

「じゃあ、準備する?」

「おっけー」


あれ、これだけで通じちゃったよ。

考えることは同じ、ってことかな。


「ね、葉っぱどうする?」

「え、適当に・・・」

ふと目に入ったのは、部屋に置いてあった鉢植え。

同じところに目をつけたらしいお姉ちゃんと顔を見合わせて。


「「ま、いっか」」

・・・葉っぱ一枚いただきました。


コップに水を汲んで、葉っぱもセットして。


練・・・っていうか発だったけ?
あれどっちだっけ?

どっちでもいいか、とりあえずフィーリングで何とかなるかな?


「じゃ、最初はあたしね」

「どうぞ」


手にオーラを溜める感じでいいのかな?
多分、初めてにしては上出来だと思う。


「あっ・・・」

水に、変化が出た。

水量が増えて、零れる寸前。
微かに金色に光っているようにも見える。

それを見たお姉ちゃんが結論を出した。


「強化系と・・・放出系の間?どっちかというと強化系みたい」

主人公君と同じですか。


とりあえず、あたしの系統はわかった。
あとはお姉ちゃん。


「お姉ちゃんもやってみてよ」

「・・・うん」

いや、そんなに眉間にシワ寄せなくても・・・あ。

結果出た・・・っていうか、こんなのあり?


まず、水量が減っていった。

その変わりとでもいうかのように、真っ黒で変なフワフワした感じのモノが浮かび上がっていて、水面上を覆っている。
葉っぱ沈んじゃってるよ。

それに染められたかのように水も真っ黒。

水面で漂っていた葉っぱは萎れながら、ゆっくり回転してて・・・。

ついでにコップの上の方に軽くひびが入っていた。

試しに水を舐めてみたら、物凄く苦かった。おぇ。


「・・・まさかの全系統」

「・・・さすが最強設定」

・・・まあいいんじゃないかな、便利だし!




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・・・そのあとお姉ちゃんがあの本を見て言ってた、"内容が増えてる"って。

嘘だと思ったけど、本を読み直してみたら確かに念についての記述が変わってた。
というより、追記されていた。


“念の系統は、放出系寄りの強化系である。強化系と放出系においては100%の力の発揮が可能”・・・やっぱり主人公君と同じみたい。

ていうか、何気に凄いじゃん、あたし。

ちなみにお姉ちゃんのには、“特質系寄りの具現化系だが、全ての系統において80%以上の力を発揮できる”って書いてあった。

最強設定ハンパないですね、っていうか具現化系だったんだ。

具現化系と特質系は100%の力出せるんだろうか?



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