サイトネーム | ナノ
----朱雨side
ゴンにキルア、それにクラピカにレオリオと別れて、私はシャワー室を探した。
「あっ・・・あの、メンチさん」
「あら、あんた確か・・・」
途中見かけたメンチさんに、思わず声をかけた。
何故だかは、自分でもわからない。
「・・・えっと、その・・・さっきは勝手に行動して、すいませんでした」
なんて会話を続けようか迷った挙げ句、口をついて出たのはそんな言葉。
何を謝ってるんだ、私は。
トードーを殴ったこと?
違う、あのことは悪いと思ってない。
「何を謝ってるのかわかんないけど、あんた何も悪くないわよ?」
「・・・ありがとう、ございます」
悪いと思ってないのに謝って、それで何も悪くないって言われて。
当たり前なことを言われただけなのに、何故か安堵した。
「あ、そうだメンチさん。シャワー室ってどこにありますか?」
「シャワー室?あそこの角を左よ」
「ありがとうございます」
メンチさんに背を向けた。
----------
私ハ悪クナイ。
悪イノハ、アンタ達ダ。
私ハ悪クナイ。
私ハ・・・。
私ハタダ、アンタ達ガ許セナカッタダケ。
・・・何故だろう、嫌なことを思い出したんだ。
どうしても自分が許せなかった。
でも今なら、あの時の自分を許せる気がして。