サイトネーム | ナノ
「それでは参りましょうか。二次試験会場に」
鳥による鳥のためのえぐい光景を見せられた後、サトツさんのこの言葉を合図に私達は再び走り出した。
ヒソカの試験官ごっこに巻き込まれるのは御免なので、ゴンとキルアと一緒に行動することにする。
「もっと前に行こう」
「うん。試験官を見失うといけないもんね。」
「そんなことよりヒソカから離れたほうがいい。あいつ、殺しをしたくてウズウズしてるから。霧に乗じてかなり殺るぜ」
ゴンが戸惑っている。
夕雨は表情に変化がない。
いつものふわっとした笑顔。
夕雨の顔を見て意外そうな顔をしたキルアは、ゴンの顔を見ていたずらに笑った。
「なんでそんなことわかるのって顔してるね。なぜならオレも同類だから。ニオイでわかるのさ」
「同類・・・?あいつと?そんな風には見えないよ」
「それはオレが猫かぶってるからだよ。そのうちわかるさ」
会話を一旦やめて、キルアは私の方をちらっと見た。
・・・そして慌てて目を逸らした。
「・・・なんで逸らすの?」
「いや・・・だって、お前すっげー顔してる」
女の子に向かってあっさり言うんだね、キルア。
でも、自覚してるからそれには突っ込まない。
だって私、今すっごく怒ってる。
「・・・むしろ私がヒソカを殺したいからね」
ピキッとキルアの顔が凍りつく音が聞こえた気がした。
「レオリオーーー!!クラピカーーー!!キルアが前に来た方がいいってさーーー!!」
・・・なんか今ので毒気を抜かれた。
さすがゴン。
空気を変える天才だ。
「どアホー!行けるならとっくに行っとるわい!」
「そこを何とか頑張ってきなよー!」
「ムリだっちゅーの」
・・・キルアがすごい唖然とした顔してる。
夕雨は相変わらず笑顔。