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----朱雨side


「ヌメーレ湿原、通称"詐欺師の塒"。二次試験会場へはここを通って行かねばなりません」


なんだっけ。
なんかいろんな生き物がいるんだよね。

嫌だなぁ・・・私、攻撃的な動物、というより生き物苦手だからなぁ。



「騙されることのないよう注意深く、しっかりと私のあとをついてきてください」


言われなくても。
この湿原に置いてきぼりなんて、死んでもお断りだ。


「おかしなこと言うぜ。騙されるのがわかってて騙されるわけねーだろ」


いつの間にかゴンとキルアがいなくなって、代わりに夕雨と、クラピカとレオリオがそばにいた。


・・・今からもう少し周りに気を配ろう。


「じゃあ騙されたらなんか奢ってー」

「あ、じゃあ私もー」


夕雨・・・奢ってもらう気満々だね。
私も便乗しよう。
ジュース飲みたいから。


「ああ、いいぜ。ぜってー騙され・・・」

「ウソだ!そいつはウソをついている!そいつは偽物だ!!試験官じゃない!俺が本当の試験官だ!」


よろよろと出てきた男に、思わず顔を歪める。


・・・嘘つくならもっとちゃんと嘘つきなよ。
みっともないよ。


「ニセ者!?どういうことだ!?」


そして騙されるレオリオ。
と、その他何人かの受験生。

気付こうよ、こんくらい。




突然感じた殺気に、咄嗟に左手を動かした。

夕雨もほぼ同時に同じ動作をしている。

そして私達の左手には・・・


「・・・あの野郎」

「あ、これ・・・」

トランプが。



ヒソカの方を睨むと、笑顔を返された。


・・・ムカつく。

ぐしゃりと思わず握り潰した。


「・・・後で返そーっと」

「夕雨、あの変態に近付いちゃ駄目」

「え、いいじゃん別に。へーきへーき」

「平気じゃな・・・」

「ほめ言葉と受け取っておきましょう」


・・・トランプを投げ捨てたらしいサトツさんに遮られてしまった。



とりあえずあのピエロ、後で殴る。





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