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ヒソカを睨みつけてたら、まあ当然ながら気付かれた。
驚いたような顔をしてからニヤニヤ笑ったのが無性にムカついて、中指を立ててやった。
・・・なんだろう、ヒソカ見てると自分のキャラが変わっていく気がする。
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しばらく(ヒソカを視界に入れないように)周りを見渡していたら、逆方向を見ていた夕雨が「あっ」と声を上げた。
「ギっちゃんだー」
「え? ・・・ああ、イル・・・」
「ギっちゃんだー!!」
「・・・ギタラクルだね」
不用意にイルミの名前を出そうとしたからだと思うけど、“ギっちゃん”と繰り返した夕雨は、声の大きさに周りの人から注目されていた。
・・・なんでギっちゃん呼びに行き着いた?
それはともかく。
気付いたら200人増えていたことになる。
(ありがたいことに)ヒソカと私達の間にはたくさんの人がいて、位置は確認できない。
そしてそのまま私の前から消えてしまえ。
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悲鳴が、上がった。
赤い紅い朱い。
痛い。なんで私が痛い?
・・・肩の古傷を、無意識の内に押さえていた。
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「あ、キルア帰ってきた」
ハッと我に返ると、キルアがジュースの缶を大量に持って戻ってきた。
「・・・よくお腹壊さないね」
「知ってんだろ?オレ毒は平気・・・」
「言い方変えるとね、よくお腹冷えないね、ってこと」
ジュース4本なんか一気に飲んでいい量じゃない。
・・・あれ、私何考えてたっけ?
私、なんで肩押さえてるの?
・・・なんで、こんなにもやもやしてる?
ボーッとしている内に、けたたましい音が鳴り響いた。
一次試験開始の、合図だった。