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----夕雨side


ザハン市まではあっという間だった。

こっちの世界に家なんてないし、あたしらはホテルを転々として暮らしてる。

それで、ついさっきチェックアウトしたホテルの場所が、たまたまザハン市のすぐ隣の市だったのだ。



「結局ナビゲーターに会わなかったねー」

「だね」


と、いうわけでナビゲーターに会わずに例の定食屋が見えてきました。

で、そこで見覚えのある後ろ姿が目に入ってきた。


スケボーを片手に持った、銀髪の少年・・・キルアだ。


「わぁお、なんという偶然」

思わず呟く。


「キルア、私達のこと覚えてるかなぁ」

お姉ちゃんも同じ様に呟いてた。


あたしらは仕事の関係で、何度かゾル家を訪問している。

キルアとはその時、一言二言話したことがあるけど、その程度じゃ忘れられてるかも。


「さぁ?忘れてるんじゃない?」


そう答えた時だった。
キルアが不意にあたしらの方を向いた。

反射的に片手をあげる。


「キルア、久しぶり」

「え・・・っと・・・」

「やっぱり覚えてないか」


お姉ちゃんが肩を竦める。

あれしか話してないから、まあ覚えてなくても不思議はないし。


「・・・あ、わかった!ココノエか、情報屋の」


・・・あ、覚えてた。


「なんだ、覚えてんじゃん」

「・・・もしかしなくてもハンター試験受験者か?」

「そうだけど」

「まいったなぁ、まさか知り合いがいるとは思わなかったぜ」


苦笑いしているキルアを促し、3人で定食屋に入った。




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