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準備って言っても大したことはない。
バックに携帯と例の本と、あと適当にいりそうな物を入れるだけ。
あとはまあ、私は一応メイクをする。
外に出る時はいつもしてるから。
もっとも、メイクって言ってもアイラインひいてマスカラで睫毛を長く見せるだけ。
「お姉ちゃんさ、いっつも思うんだけど、メイクいらないじゃん?」
少し呆れたように夕雨に言われて、首を傾げた。
「なんで?」
「いや確かにお姉ちゃんメイク上手いよ、あたしよりよっぽど。
だけどさ、お姉ちゃんもともと地がいいし、目も大きいし睫毛も長いじゃん」
「・・・ありがとう?」
褒められた気がしたからそう言ったら、夕雨に溜め息をつかれた。
・・・なんで?
「ていうか夕雨、前髪長すぎ!いい加減切れば?」
夕雨の長い前髪が瞳を隠している。
「嫌だ」
「そう・・・」
理由は知ってる。
夕雨の瞳は金と黒のオッドアイだ。
お母さん譲りの金色と、お父さん譲りの私と同じ黒。
夕雨は左右の瞳の色が違うことを気にしている。
・・・綺麗な瞳なのに。
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そんなこんなやってる内に、準備が整った。
ちなみに服装は、夕雨がTシャツにショートパンツとスパッツ、あと水色のパーカー。
私は黒いワンピース。
下にショートパンツとやっぱり黒のピッタリしたTシャツを着ている。
それから薄ピンクのパーカー。
ちなみにパーカーは色違い。
ワンピースって動きにくそえに見えて、以外とそうでもない。
いつも着てるからそう感じるだけかもしれないけどね。
「じゃ、行こっか」
「オッケー」
軽く頷き合って、私達はハンター試験を受けるために出発した。
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「・・・そういえば、ハンター試験受ける理由ってどうする?」
「あ・・・考えてなかった。んー、“仕事であった方が便利だから!”・・・とか?」
「あー、もうそれでいっか」
・・・気を取り直して、とりあえずザハン市に向かおう。