サイトネーム | ナノ
「・・・あっ」
「どーしたの、お姉ちゃん?」
「そういえば、ここってどこ?」
「え、HUNTER×HUNTERの世か・・・」
「じゃなくって、場所の話」
気付いたらここにいた、ということは、場所の把握ができてないわけで。
気になって夕雨に聞いたら、あっさり答えが返ってきた。
「あ、なんかどっかの路地裏みたいだよ」
「そう・・・」
路地裏って、どこの路地裏だろう・・・?
なんとなく気になる。
わかっても、この世界の土地勘なんてないけれど。
「ね、お姉ちゃん」
真面目な表情で、夕雨が私に話し掛けてくる。
「なに?」
「あの暗い場所で、あの"声"に、何を言われたの?」
突然の問い掛けに、驚いてしまう。
実はずっと気になっていた。
・・・"最強の力"のことが。
「・・・なんで?」
「なんかお姉ちゃん、何かを気にしてるような気がしたんだよね。それで、これは私の勘なんだけど、あの場所で何か言われたのかな、って」
・・・すごい。
当たってる・・・。
「・・・うん、少しね」
夕雨に隠し事はできそうにない、と苦笑してから、私はあの"声"に言われたこと、与えられた力について話し始めた。