「ねえチョッパー、あたしもう平気だから。血圧も脈拍も安定したでしょ?外行ってくるね」
「だ、ダメだ!まだ寝てないと!」
「あたし、そんなに柔じゃないよ」

そういって止めるチョッパーを無理矢理押し切り部屋を出た。

部屋を出たかったと言うか、一人になりたかった。
だって一刻も早くあたしは死ななきゃいけないんだから。


「………ユリ」

早足で足を進めていると、道をふさぐように立っていた人がいた。

「…ロビン」
「ちょっといいかしら?」

ロビンはあたしが出てくるのを待っていたようだった。
あたしが小さく頷くと、ロビンは二人きりになれる場所へと歩き出した。


最近ロビンと二人きりになっていなかったせいか、緊張する。ロビンからあたしに話があるだなんて…


「ユリ…ごめんなさい」
「え……?」

ロビンはそういって、あたしに頭を下げた。
ロビンが謝ることなんて何もないはずなのに…何故謝るの?


「私たち、最初から付き合ってなんかいないの」

ロビンはゾロのことをいっているのだとすぐにわかった。

「…セフレよ」
「………どういうこと?」
「私からゾロに話を持ち掛けたの。別にお互い愛し合っていなかったけど、欲望を満たす為に…」

愛がない?
それなのにキスやセックスをしたっていうの?


「でもっ…じゃあなんでカップルだなんて…!」
「…そう言っておいたら、楽だったのよ。例えばれても付き合ってるなら、ってなるじゃない?」

ああ、もう頭がパンクしそうだ。

「ユリ、ごめんなさい」
「………ねえ、何故あたしに謝るの?何故あたしにその話をするの?」
「私が貴女を苦しめていたからよ」

胸がズキンと痛む。
ロビンは、あたしがゾロを好きなことばれていたのか


「…さっきこのことはみんなにさっき話したわ」
「え………?」
「昨日の夜、私たち関係を絶ったの。でも少し遅かったわね」

ロビンはあたしに頭を下げた。
彼女が頭を下げるとこなんて見たことがなかったから、驚いて声が出なかった。


「……もういいの。ロビンは悪くない。それに、もうあたし…ユリ何て言う人間はいないんだから」
「…どういうことかしら?」

あたしはフッと自嘲的に笑って、冷たく言い放った。


「あたしはあの日に死んでいたのよ。ううん、ユリなんて人、元々いなかったのかもね」

「ユリ………?」

「違う、私はくいなよ」


そう言って、私はその場を立ち去った。






(さよなら、あたしの人生)




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