スモーカー

「ちょっと、スモーカー!」
「…テメェか」
「テメェってなによ!失礼ね!そんなことよりスモーカーって中将なの?」
「……あァ」
スモーカーは暫く黙ったあと、いやいやそう白状した。
「准将じゃなかったの?中将なの?」
「昇格したんだよ」
「あんなに上に上がるの嫌がってたのになによ!どういうこと?なんなの!」
わたしはスモーカーの襟元を掴むと、荒々しく揺さぶった。
「別にお前には関係ねェだろ」
「関係あるよ、絶対だめ!G5なんでしょ?…中々会えなくなるじゃん、ばか」
さみしいんだからね、

( 同期が心配なんです )

13.09.19 17:12




一ノ瀬トキヤ

「いいですね、こっちを向いてください。」
「だ、だめっ!ムリ!恥ずかしすぎるよっ……」
「ふふふ、そうやって恥じらう姿もとても愛らしい」
そう言ってわたしに猫耳とメイド服を無理やり着させたトキヤは、わたしの顎を優しく撫でた。
「ふぁっ…」
思わず甘い声が漏れる。それをトキヤはくすりと微笑んで、今度は顎からゆっくりと耳元を辿るように指を動かす。
「可愛いですが、貴女は子猫です。鳴き声はにゃあですよ」
「そ、そんなの言えるわけっ…」
「言えないんですか?そんな悪い子猫ちゃんにはお仕置きですね」
その時トキヤはとても楽しそうにわたしを見つめていたのは言うまでもないだろう。

( へんたい王子様 )

13.09.16 01:53




黒崎蘭丸

その日彼はひどく辛そうにして帰ってきた。もう人生を諦めたような、そんな顔だった。
「……蘭丸、お疲れさまっ」
どうしたのなんて聞かない。きっと彼は答えないだろうし、聞いたところで彼の背負っているものは軽くならない。だからわたしはいつもと同じセリフで、いつもと同じように夜ご飯を作って食卓に並べる。
「…ありがとな」
普段の彼からは想像できない。彼の口からお礼の言葉が出てくるなんて、きっと事務所の後輩や同期が見たら驚くだろう。
「蘭丸の頑張りは、わたしが知ってる。絶対ムダなんかじゃないから」

( 決して見せない涙 )

13.09.16 00:26




ミホーク

「ねえ、クマのお人形買って」
「…もう一度言ってくれ」
「だから、クマのお人形がほしいの」
彼の時間はまるで止まってしまったかのように、彼はピクリとも動かなくなった。聞いているのだろうか。
「お前、自分がいくつかわかっているのか」
「もういい、ドフラミンゴに頼む。キスしたら買ってくれそうだし」
そう言ってわたしが彼からクルリと背を向けようとすると、すかさず彼はわたしの腕を掴んだ。
「ま、待て」
「なに?買うの、買わないの?どっち?」
「…………買ってやろう」
「ほんと?わーいっ!えへへ、やっぱりミホークだいすき!」

( 手のひらでころころ )

13.09.12 22:55




ドフラミンゴ

「お前が父さんと母さんを殺したっ!!」
「フッフッフ」
「気持ち悪い笑い方しやがって…許さない!」
少女の手には小さなナイフが握られていた。しかし丸腰だというのに目の前にいる男は奇妙に笑って少女を楽しそうに見つめるだけだった。
「わたしは見たんだ、お前が操って母さんに父さんを殺させた…」
「お嬢チャン、俺の女になるか?」
「バカにしてんのか!」
ナイフをかたく握りしめたはずだったのに、男が指をくいっと動かすと、少女は自ら自分の腹にナイフを刺した。
「ああぁっ!!…んぐっ、ハァ、ハァ…」
少女は倒れ込みながらも、男を鋭い目つきで睨んだ。
「フフッ、いいなァその目。俺はドフラミンゴ、これからお前は俺の女だ」

( 狂ったピンク色 )

13.09.12 22:06




ゾロ

「わたしの病気は、もう治らないんです。もしかしたら、明日には死んでしまうかも…」
「うるせェ、お前は今生きてる。それでいいじゃねェか!」
「でも、」
いつ死ぬかわからない恐怖を抱えるコイツを、俺は幸せにできるのかとずっと不安だった。俺はずっと、未来のことを考えていた。だけど未来なんてどうだっていい。俺は今、コイツといたい。

「黙って俺に着いて来い」

そう言って抱きしめると、コイツは小さく震えながら、しっかりと頷いた。

( 最期の1秒まで、ずっと一緒に )

13.09.12 18:01





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