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「これって、アリなのか」
「勝利宣言してなかったからなー」
「どう見たってあの時点で俺の勝ちは決まっていただろうが!」
『宣言するまでは続くぞ』
「聞いてねぇ」
「だって言ってねぇし」
『うん、言っていないな』
「お前ら…確信犯か…ッ」
『さぁ?』

痺れる体を新藤に助け起こされながら回しにくい舌で正当な意見をぶつけるも、こいつらは一切気にしない。
それよりこの痺れはなんだ?いつ…、

「チッ、この傷か…!」
『あぁ。神田なら全て避けてしまうと思っていたのだけれど…』

左手の甲に走る赤い筋を見つめる瞳が不安定に揺れる。そうだ、彼女は俺が怪我をしなくて済むようにと今まで修行に付き合ってくれていたのに。その自分が怪我をさせてしまった、とでも思っているのだ。

「俺がわざと掠らせたんだ。これくらいどうってことない」
『…でも、』

その先に続きそうな言葉を彼女は渋々飲み込んだ。

「ほら、そろそろ立てるか?」

全ての千本と六幻を手に苦笑いを浮かべるバクが問いかける。

「…立てなくはない。この痺れ薬はテメェの作ったやつか」
「いや?」

では誰が、と彼女を睨めば、

『コムイ』
「…。」

終わった…!

『大丈夫だって。前の本部でアイツが馬鹿やらかしたときにアレンに使ったやつだって言っていたから。それにリーバーがちょっと弄って弱くしてくれている。心配無い。ほら、原液を摂取したアレンは今でも元気だろ?』
「そういう問題じゃ…」

この全身に吹き出る汗を止めるには心許無い根拠でしかなかった。

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