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一度本部に立ち寄り、エクソシストと認可されたあと、私は元帥と炎彬達と一緒に修行も含めた任務で各地を転々としていた。

十一歳のとき本部に帰還して、本部で“初めて”神田に会ったんだ。そのときのお前は鋭い刃物のようなのに、どこか儚げな花のようで、文字通り脆刃のようだった。
あの日の楽しそうな顔とは似ても似つかなくて…。

十二歳のとき、任務でアジア支部に立ち寄ったついでにバクに訊いたんだ。
神田と一緒にいた子供はどうしたのかって。

バクは、何も言わなかった。
直感で分かったよ。
あの子供は、死んだ。多分、神田の一番の友達だったんだって…。

後でバクとズゥが話しているのを聴いた。神田とあの子供、アルマがセカンドエクソシストだということも、そのときに全て、知った。

でも知ったところで私にはどう言葉をかけたらいいのか分からなくて…。

それから少し経ってからだと思う。狂気に満ち、肉体を寄越せと喚くイノセンスの声が脳に響くようになったのは。

イノセンスは、“私”を蝕んでいた。

気力で自分を保つけれど、時折発作を起こしてたたみかけられる。ボロボロだった。
イノセンスの声のことは当時、元帥にしか伝えていなかった。
本当に辛くて…、仕舞いには元帥に殺してもらえないかと申し出ようと思って…。
丁度コムイが室長に就任した頃だった。
元帥が帰還されたことを聞いた私はあの人の所に向かった。
その途中で、神田に声をかけられたんだ。それまでお前は私に自分から声をかけてきたことは無かったから、かなり驚いたことを今も覚えている。

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