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ふと意識が浮上すると、窓から覗く太陽は天頂近くにまで昇っていた ぼんやりとした脳をなんとか働かせ、筋肉痛の走る体を引きずって壁伝いに婦長がいるはずの扉を開く。 そこでは婦長とコムイが珍しく穏やかに会話をしていたらしく(いつもなら婦長が直ぐに叩き出すのに…)、二人揃って此方を向いた。 「おはよう、って時間じゃないか。おそよう!」 『…ん』 「ちょうどお昼だから食事をしてからリハビリを始めましょう」 『要らない…、空いてない』 「食 べ て か ら ね ?」 『…そんなに入らない』 にこにこと表面上の笑みを浮かべた婦長に逆らっても無駄に体力を削ぐだけでどうにもならない。仕方なく妥協すれば、コムイが苦笑いを浮かべていた。 正直胃にまだ朝食が残っているような感覚があり、食べたら運動ともいえない程度に動いて寝る生活をこのまま繰り返していたら恐ろしいことになるのではと危惧している(絶対肥えるのは嫌だ)。 確かに食事をせずに眠り続けて体重は落ちたが、身体には脂肪ではなく筋肉をつけたい。 「脂肪もつけなくちゃバストサイズも落ちるわよ?」 『…。』 婦長に思考を読まれてしまった(そんなに分かりやすい顔をしていたのだろうか…)。 |
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