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「…アイツは、死ぬのか…?」

やっと、やっと出て来た言葉が、これだ。
自分でも情けないと思う。だが、今はこれしか浮かばなかった

「…始めに言った通り“このまま”では間違い無く、だ…」

本来ならば極力イノセンスを使わせずに生活させた方が発作のリスクは低くなる。それなのに月精本人が戦場へ行くことを望む、日常で気軽に力を使うのだ。

「どうせ死ぬならベッドの上以外がいいと、誰かのためにと言い続けるんだよ、彼女は」

緩慢な動きで立ち上がったバクは、俯きがちに俺の方へ向き直った。

「新藤は、君に自分の未来(さき)を知られるのが怖かった。自分の命を、」

光が大きな音を立てて爆ぜた。言いかけた途端、コムイに問いただそうとした時と同じようにバクの喉元から閃光が走ったのだ。
痛みに沈痛な面持ちが歪み、バクは喉を抑える。

「バクちゃん、下手をしたら君にもダメージが残る。あまり無理をし過ぎない方がいい。今はこれくらいで、」
「駄目だッコムイが知らない、ことも…っ今、神田に言わねばならん!」

バチバチッと幾つもの光が弾け、言葉を詰まらせるバクは脂汗を滲ませて呼吸を乱しながらも、俺をしっかと見据えた。

「新藤は、君のために今まで、生きてきた…っ。そして恐らく、この先も…」
「俺の、ため…?」

しっかり頷き、呼吸を整えたバクは俯きがちに唇を噛み締める

「…彼女は、アルマと、君のことを…っ、あの日の君達を…知っているんだ…」

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