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「僕、今日こそは月精に告白する!」
「君はエクソシストとはいえ十四番目の宿主ですよ」
「そんなこと関係ないって言ってくれるよ、きっと」
「そこまで思っていながらどうして君は私が中央に戻っている昨日までに、しかも同じ任務に就いていながら告白しなかったのですか」
「うっ…」
「まぁ告白するのは勝手です。玉砕してきなさい」
「リンク酷っ!」

朝食とシャワーを済ませ食後の鍛錬をしようと廊下を進んでいたときに後方から聞こえてきた会話に俺は思わず足を止めた。
それと同時に湧き上がる焦燥。
もしあの白髪が新藤に告白したら、何と答えるのだろう。
拒絶する、とは断言できなかった。
もし新藤が受け入れたら?ずっとアイツと行動を共にし、笑い合う姿を見続けなければならないのか?

(そんなの、許せない)

まだそうなるとは決まっていないと分かっていても嫌な方向にしか思考は進まなかった。
告白なんてさせるものか。
急いで森へ向かおう。この頃合なら新藤は鍛錬の時間だ。何か口実をつけて今日一日側にいて、あの野郎との接触は回避させなければならない。
そう思い、足を踏み出そうとした刹那

「待ってるからね」


脳裏に響いた“あの人”の言葉、止まってしまった足…。
“俺”の記憶であって“俺”の記憶ではないけれど、生きたいと願い、友を殺めて進み追いかけた道標。

否定はしない、したくない

忘れはしない、忘れたくない

会いたい、会わなければならない

「待ってるからね」


新藤に対する気持ちと“あの人”に対する気持ち。
天秤にかけても釣り合うことも無ければどちらにずっと傾くわけでもない。
シーソーのように揺れ動き続けてしまう。
どちらが大切なのかなんて、今はもう分からなくなってしまった。
自分が数多の血を全身に浴びた歪な存在だということも嫌というほど分かっている。

(不安定、だ)

俺の心が、俺の存在が、

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