男はみんな狼
今日は年に一度行われる海原祭の日。私のクラスは「メイド喫茶」をやることになり、女子にはメイド服を着るはめになりました…
「? 赤也〜何怒ってるの?」
「怒ってねぇよ…」
私の彼氏である赤也は朝から機嫌が悪く、私が何を聞いても「違う」と否定される。
「…お前…短くねぇか?」
「?何が?」
「何がって…スカートがだよっ!もう少し短くしろ!」
「無理だよ、ワンピースだもん」
そう言うと、赤也は「あーっ!」と頭を抱えてしまった。
「変な赤也」
「名前こっちお願い!!」
私は頭を抱えている赤也をほっておいて、自分の仕事にとりかかった。
〈Side 赤也〉
全く…名前は何もわかっていない。
あいつの危機感の無さには、流石のオレも呆れる。
「あの子カワイイな〜」
「ああ」
知らない奴等が名前を見てそんなことを言っていた。
その声にオレは怒りを覚え、名前に近づいた。
「な、何?」
「全く…お前は危機感を覚えろっ!!」
「??」
「…何だ、男居んのかよ」
男達の言葉を聞いて、少しだけ安心した。
「赤也…さっきからおかしいよっ!!」
名前はキッとオレを睨み付け、怒りの声を発した。
「おかしいって、それはお前が…いいか名前!」
「な、何よっ!」
オレは名前の肩を掴み、ジッと名前の目を見て口を開いた。
「男はな、皆オオカミなんだよっ!!」
「はぁ?狼?」
自分でも、訳の分からないことを言ってるのはわかっている。
でも、この言葉が名前にとっての、警告になってくれたら…オレは凄く嬉しいと思う。