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「おい、名前、これは新手のイジメか何かなのか?」


え?何のこと?と言わんばかりに、名前は首を傾げた。本当に悪意が無いのなら、名前が天然であることが今日判明した。
オレの目の前には名前が作った手料理のハンバーグ…と、本人は言う。
これが本当にハンバーグだったら、炭になる訳が無い。ああ、誰が作っても、レシピ通りに作れば炭になんかならないはずだ。


「どう見ても炭だろ。」

「違うよ!ハンバーグだよ!」

「正直に言ってみろ?これは何だ?」

「だから、わたしの手作りハンバーグだよ。」


結局、この不気味な物体はハンバーグと言うことになった。不服だけどな。
さぁ、食べて食べて!と言うように名前はキラキラと目を輝かせている。
おまけに、ギルドの連中がさっきからじろじろオレらの方を見ている。
この状況でさすがに食べない訳にはいかなくなった


「っ…い、いただきマス…」


意を決してハンバーグを口に運んだ。
周りの連中の生唾を飲み込む音がギルド中に広がる。


「…う…」

「「「う?」」」

「うまい…」

「本当っ!?良かったー」


その言葉に皆は、嘘だろっ!?やグレイのヤツ、とうとう可笑しくなっちまった!なんて言ってる。
それもそうだ。
見た目が炭のくせに、味はそこら辺にあるレストランなんかより断然上手い。


「それにしても、何で見た目が炭なのに味はすげぇ上手いんだ?」

「それはね、きっと…」


名前は満面の笑みと誰にでも聞こえるような声で言った。



それはつまり愛なのよ


(愛の力ってヤツだよ!)






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