嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬

あたしは“嫉妬”の視線で育った。


「可愛いわね、美亜ちゃん、お人形さんみたいだわー…」
「ほんと可愛いわね」
「可愛い」
「可愛い」
「可愛い」


可愛い可愛い可愛い嫉妬嫉妬可愛い嫉妬嫉妬視線視線嫉妬嫉妬嫉妬視線視線視線視線視線、最後に嫌悪。

幼稚園に入ったあたしは嫉妬の視線をはじめて浴びた。皆あたしを可愛いともてはやし、皆あたしを見てくれなかった。
そんな中彼女だけがあたしを見てくれた。あたしを認めてくれたのだ。
でもその時は素直になれなくて嫌な事をいった。別に嫌われ少女の戯言だった。

なのに世界は残酷だった。あたしの一言の悪口で彼女は無表情の仮面を張り付けてしまった。
その代わりあたしの周りに人が増え、彼女の周りは人が減り、どうしようもなく息苦しくなった。


「雫ちゃん、気持ち悪い」


彼女もまた、嫉妬の視線を浴びていたのだと気づいたのはしばらくたってからの事だった。

あたしは恩を仇で返した。そう気づいた時あたしはただただ泣いた。あたしの嘘しかない悪口で彼女の全てを無くしてしまったんだった。


「もう遅い!!!!」
「…雫ちゃんなら許してくれる」
「そういう事じゃない!!あたしは失敗した、間違えた!!嫉妬した!!」
「三好さん」
「もう遅い!!何もかも!!」


高尾和成が大嫌いだった。あたしが何年かけてもできない事を平然とやってのけたから大嫌いだ。


「今更ごめんなさいなんて遅すぎる」


都合が良すぎる。彼女の笑顔を奪った罪は重い。悪意が無くてもそれは重くあたしについて回る。



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