雫ちゃんの苦手な人は三好美亜だ。間違いない。
そして雫ちゃんの笑えない元凶は三好美亜だ。詳しくは知らないが。
ならば詳しく調べるまでよ、はっはっは、雫ちゃんへの愛は負ける気ないからな!!


「和成君、はいタオル」
「ん、あんがとー」


まあぶっちゃけ三好さんなんてどうでもいーけどそうわけにはいかない。彼女が居ないと不自然になる。
さて、どう切り出すか…三好さんの出方を見るか…いや、言うか?


「ねぇ雫ちゃんとうまくいってる?」
「…んー」


うわこいつ一番でかいナイフで心臓狙ってきやがった…鶴ちゃんからの罵声体験してなければ俺は死んでたわ。くそ、一番痛いとこついてきやがって…
まあ好都合っちゃあ好都合。攻め込む糸口が見つかった。


「三好さんは雫ちゃんをどう思うの?」
「へ?」


この質問なら逃げれない。絶対に答えないといけない。プライドが高い(予想だけど多分当たってる)彼女なら必ず食い付く、食い付いたら後はひくだけだ。
さあ、食え。どんな解答でも中身を暴いてやる。


「ただの幼馴染だよ」
「ふーん」


ただの幼馴染。これでも事実半々だ。雫ちゃんを傷つけたなら許さない。謝罪はいただく、それならもう少し話題が欲しい。
どうする?こっちから行くか?待つか?どうする。どうする。
それは、ちょうど俺が口を開けようとした時だった。


「昔っから正義感強くてね、美亜の事守ってくれたりしたの」


その台詞を聞いた瞬間。“俺にとって一番最悪な展開”な頭を過る。まさか、いやでも嘘が感じられないこの台詞なら…


「じゃあね高尾君」
「…あ、じゃあねー」


…“俺にとって一番最悪な展開”それは三好美亜が雫ちゃんの事を実は好きという展開である。



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