「…美亜ちゃん」


忘れてた…馬鹿か私は…何故忘れてたんだよ…あれか、最近他の所で色々あったからか…ちくせう…


「…たっ、タカおくんとなカヨくヤっテまスカ?」
「あはは、嫌味?」
「すみませんそういうわけじゃないんですすみません」


こ、怖いいいいいいいいい!!どうしよう詰んだ、これは詰んだ、明らかに詰んだ、確実に詰んだ……

いや、違う私、ここで怖じけづいてどうする。別に悪い事してるわけじゃないじゃないか、堂々と何も知らない風にいればいいんだよ。


「なに、どうしたの雫ちゃん」
「っ、な、なんでもないよ!それにしても美亜ちゃんも文化祭委員なんて、奇遇だねー奇遇っていうか運命だねー…」
「……ふぅん」


あ、駄目だ、やっぱ怖いです。あれー私よりも小さいんだよね、二メートルぐらいにみてるーわー怖いー……どうしよう、この状態。

…落ち着け、落ち着くんだ門田雫。美亜ちゃんは何もやってないじゃないか!!こんなのただの被害妄想だ、私が馬鹿なだけだ。


「それじゃあばいばい、美亜ちゃん」


だけど逃げ出したい気持ちは変わらない。
教室に帰ると島田君が葡萄ジュースをくれた。その缶ジュースの冷たさがとても心地よかったのです。



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