今日は体育祭、なのだが私は見学、保険を手伝う事になっていて皆体操服で登校する中私はセーラー服に袖を通した。 いつも通りに朝食を済ませて鏡に向かって笑いかける、作り笑いが鏡に映った。 言いたい事はまとまっている、いざいうとなかったら意味ない事もいうかもしれない、下らないと言われるかもしれない、馬鹿みたいと言われるかもしれない。 でも私の好きな高尾君はきっと笑わないで聞いてくれると思う。 「いってきます」 私以外誰もいない家に挨拶を告げる。今日もお母さんは帰宅が遅くてお父さんは帰ってこれないらしい。 玄関にでる時、お母さんの「頑張って」が聞こえた様な気がした。やっぱり私はまだまだ子供だと足を踏み出した。 九月も真ん中、秋空は快晴で運動をするには最適の気温、まぁ私は運動をしないけれど。 ざわつく教室に入って自分の席へとつく、おはよう鶴ちゃん、と前の席に声をかければ小説から目を話しては眉を下げて笑う。 「心配したんだよ!」 「ごめんね鶴ちゃん」 「……かっずーとなんかあったの?」 「うん、でも大丈夫」 私がこんな気持ちでいられるのも鶴ちゃんのお陰だ、ありがとうといえば少し驚いたように目を見開いてどういたしまして?と疑問符をつけて返した。 「鶴ちゃん雫ちゃんおはよう」 「おはよーかっずー緑間ー!!」 「おはよう」 「おはよう高尾君、緑間君」 なんだか久しぶりに思えて自分がいかに二人に依存していたかわかる、少し怖い。 「高尾君、放課後少しだけ時間頂戴」 「……うん」 ←|→ ⇒top |