「なんでそんな事を聞くの?」


それは私が高尾君を好きだからだ、だから美亜ちゃんとの関係が気になるし今も安心してる。私が高尾君を好きだから。


「答えてよ」


それは私が高尾君を好きであると言わないといけない、それは駄目だ、高尾君に私の恋心がばれてしまうのは。

あれ?


「ねぇ」


なんで高尾君に好きだとばれちゃいけないんだろう。今の関係を、距離を壊したくないからだ、でもそれじゃあ私は矛盾する。本当は距離をつめたい。
じゃあなんで?笑ってないから?きっと高尾君はそんな事気にしない、距離だって前の様になりたいと思ったらきっと高尾君は前と同じように戻してくれるだろう。

じゃあいえばいいじゃないか、好きだからと、高尾君が好きだから聞いたと、好きで好きでたまらないと。もう逃げないといったなら、真っ直ぐな気持ちでいたいと思うなら。


「高尾君」
「ごめん変な事聞いた、気にしないで」


なんで私は笑えないんだろう。きっともう笑えるんじゃないかと思うのに笑えない、多分一番の理由は高尾君に好意を伝える事が一番の私の幸せだからだ。

じゃあ私は一生笑えないのかもしれない、私一人しかいない音楽室で私は不器用に口角をあげた。


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