秀徳のこの渡り廊下は誰もこない、少なくとも短い十分ほどの休み時間にくるような奴はいない。
いいたい事に予想はつく、どうせ高尾和成の事だろう、果てしなくどうでもいい。


「美亜ちゃん、あのね、私美亜ちゃんの事、応援できない」
「え?」
「…私も好きだから」
「…嘘…」


へーそうふーんよかったねーで、美亜をこんな所に連れてきてなにがいいたいの、まさか好き発言だけ?美亜ちゃん高尾君を諦めてっていう事?いや別にいいけど高尾和成にあんたに靡くとは思わないけどね。
あーめんどくさいなーだらだらぐちぐち本当にめんどくさい。


「別に美亜ちゃんにひいてほしいとかでいったんじゃないよ」
「え?」
「応援ができないっていっただけ、だから、」


は?つまり美亜がいても高尾和成は自分の手で落とせるって?……冗談じゃない


「ごめんなさい、それだけ、時間潰してごめんなさい」


腹が立つ、いつもいつも純粋で真っ直ぐで自分一人で頑張って他人に頼らずに、めんどくさいしなにより、

自分の信じる道をいけばみたいな古くさい考えを突き通させるのが腹が立つ。


「ねぇ雫ちゃん」
「なに?」
「和成君がさ、美亜の事好きだったらどうする?」
「……え?」


あんたの思うようにさせてやらない、真っ直ぐ進めばいいなんて甘い考えでうまくやらしてあげない、美亜が思うようにあの時みたいにさしてあげる。



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