「私門田雫といいます高尾君私をキャピギャルにしてくださいいやハブ子からかわりたいだけなんですキャピギャルはあくまでも理想とりあえずハブはいやなんですよハブまじ辛い」


無表情、ノンブレスで門田さんは俺に迫った。ていうかキャピギャルってなんだ、キャピキャピしたギャルか、わかったわ。


「えーと、門田ちゃんはなんでキャピギャルになりたいの?」
「私この通り石像かよってぐらい表情硬いんですよ、笑えないんです。無理に笑ったら貞子もびっくりな顔になるんです」


頬を擦りながらどこか遠くに視線をやる門田ちゃん。なんか色々かわいそうというより悲惨だ。
確かに門田が友達と呼べる人とした事をみた事がなかった。無表情読書が門田ちゃんのイメージだ。
そんな門田ちゃんがこんなに悩んでるとは思わなった。


「……うん、いいよ。門田ちゃん。友達作ろう」
「!!」


あ、はじめて無表情、じゃなくなった。
限りなく無表情に近いけど、驚きと歓喜が顔にでている。もしかしたら門田ちゃんはずっとずっと感情豊かでいいこなんじゃないかと思えてきた。いや、多分いいこなんだろう。


「高尾君……!!」


俺はまだ門田ちゃんをリア充にするのが予想をこえる疲労がいるとは知るよしもないけれど。


「とりあえずはな、顔のマッサージとかさ、ちょっとでも笑う練習とかしない?」
「高尾君、実はもうやったんだ」
「え!?まじで!?結果は!?」
「顔の筋肉つった」
「まじか」


知るよしも、ないけれど。



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