練習試合をした学校の行き道に向日葵が咲いていた。高々と真っ直ぐ折れる事なく太陽みたいに咲いた見事な向日葵だった。

そういえば雫ちゃんを俺を向日葵みたいと比喩していたな。ああ、でも最近あってないからな、和成寂しい!そんな感情が一気に押し寄せてなんだかむず痒くなった。

新学期がはじまったら沢山話をしよう、笑い話をすれば彼女だって笑ってくれるかもしれない、いや前試したらクスリもしなかったけども。

…クスリもしなかったけども。


できるなら、正しく彼女に好意を伝えていこう、誰よりも優しくて繊細で、好意に人一番疎い彼女に正しく好意を伝えよう。
間違えないように、彼女の好意を間違わないように。
今は不器用で不恰好な好意でも、ただ真っ直ぐあの向日葵みたいに真っ直ぐに、よくわからないけど、素直に、そんな風に好意を伝えたらいい。

夏だけしか咲かない向日葵はずっと咲き続ける様なそんな逞しさがある、胸が締め付けられて苦しいほどに好きな彼女の好きな花は美しく見える。
俺は向日葵みたいになりたい、彼女の理想の比喩になりたいと強く思う、小さくなった蝉の声と暑さは比例する事はなく新学期になっても暑さはひかないだろうなと思わず苦笑した。

夏休みが終わる



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