じゃあばいばい、頑張って。といって切られた直後た行からお目当ての人物を探し出して電話をかける『かっずー?』と聞きなれた声が聞こえた瞬間思わず叫んだ。


「俺の事好きだろっていいたい!!」
『おいいいいい!!お前本当に意思弱いな!!昨日あたしに“しばらくは友達やる”っていっただろお前馬鹿か!!馬鹿なのか!?ああん!?』
「だって!!絶対俺の事好きだって!!あれ恋だって!!」
『自惚れるな馬鹿野郎!!滅べ!!』


そう鶴ちゃんに怒鳴られて電話はブッヅンと切れた。
まさか頑張ってを聞こうと電話をかけたら爆弾なんて不意討ちにもほどがある、にやけていると真ちゃんはじとりと俺をみて呆れた様に息を吐いた。


「自惚れるな馬鹿野郎」
「ええええ真ちゃんも!?」
「あいつにいきなり好意を伝えようものならおしまいだな」
「真ちゃんいつにもましてボロクソいうね!?まさか真ちゃんも!?」
「死ね」


あ、そうですかー真ちゃんは親友の恋心なんてどうでもいいのですか、というか恋愛事はどうでもいいのかちくしょー
あと三分ほどではじまる試合も含め、思わず顔をしかめる。


「……ほんっとわかんねーなー恋愛」


おしたらひかれて、ひかれたらおされる、その繰り返しでもうわけわかんねぇ。
他人には敏感なのに、自分対して恋愛事にどうも疎い俺はなにをしても失敗におわるのだ。
もう雫ちゃんは天使じゃなくて小悪魔だ、あ、やっぱ天使。


「俺は恋愛等した事無い」


だむっとボールが跳ねて、真ちゃんの手におさまる、あと一分で休憩は終わりだ。


「だが、しかし、そんな俺がいうならば、恋愛だのわからなくて当たり前なのだよ」


ボールが高々と放射線を画く、だからもう休憩終わりだってば真ちゃん。


「器用でないお前をみるのも中々楽しいからな」
「…し、真ちゃんいっけめえええええん!!」


真ちゃんがほおったボールはぱすんっとゴールに入った。



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