「はああ可愛い!!可愛いよ雫!!!!」
「…ありがとう」
「嫌な顔しないの」
「馬鹿ね鶴乃、メイドが嫌がるなんてエロ同人お決まりのシチュエーションよ」
「どこでそんな知識植え付けるんだアンタ」


キラキラと目を輝せる美亜ちゃんに喜んでいいのか複雑な気持ちになる。
まさか、まさか自分が着るとは思ってなかった。いざ着るとなかなか恥ずかしい。高尾君は可愛いっていってくれたけど似合わないと思う。
メイド服が珍しいのか美亜ちゃんが色んな所をペタペタ触ってくる。


「はあああ可愛い…可愛いよ雫…もう…はあはあ…」
「お客様おさわり禁止です…おいやめなさい美亜はしたない!アンタそろそろ美少女詐欺って言われるぞ!!」
「かまわない」
「お客様雫ちゃんにおさわり禁止です隣の黒髪にしてください」
「おいどういう事だかっずー」
「鶴乃は嫌」
「射ち抜くぞ美亜」
「ぶふっ!」


まるでコントのような会話に思わず吹き出してしまった。抑えて笑うと少し声が漏れてしまっている。


「なんで笑ってんの雫ちゃん」
「だ、だって、テンポがいいふくうっ」
「そんな笑わなくても」
「ひふっ…いや、もう…ふっく…」
「…雫ちゃん可愛い」
「雫可愛い」


高尾君に背中を撫でられながら息を整える。ああ幸せってこうなんだなって皆をみて思った。


「…あのぉー、お三方ぁ?」
「……へ?」


目に涙を浮かばせながら振り向くと明らかに怒った北本さんがにっこりと笑っている。
周りをみると島田君と沢さんがせっせと働いていた。


「…メイドさん執事さん、お遊びはよろしいけど、働いてくれます?」
「…ご、ごめ、ごめんななな」
「ごめん北本さん許しげふっ」
「よし高尾一回で三人前いってこい」



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