「雫っちゃぁーん!!」
「わぶぶ!」
「かっずーやめろ雫が圧死する」


ぎゅうぎゅうを雫ちゃんを抱き締めながら肩に額を押し付ける。ああ雫ちゃん、可愛い雫ちゃん…雫ちゃん…くんかくんか…


「やめろつってんの聞こえないのか」
「いだだだだだだ鶴ちゃん手首折れる折れる折れる折れる折れる!!」


あらぬ方向に曲がりそうなぐらい手首を捻った後雫ちゃんをべりっと剥がす。解せぬ返せ
きょとんとしつつもレシピを手から離さない雫ちゃんに萌えきゅんしつつまた目の前に向き合ってにっこり笑ってやる。


「雫の笑顔がみたい」
「!!」


一気に耳まで真っ赤になった雫ちゃんが廊下へ走…ろうとした。しっかりと左手を掴んで自分と向かい合うように引き寄せる。


「笑えー早く笑えー」
「なにそれ高尾君」
「まじない?」
「…ふっ」
「あ」


耐えきれなくなったのか息を吹き出してくすくすと小さく笑う。ふは、と少し大きめに笑った後、少し照れ臭そうに制服を掴まれふんわりと笑われた。


「ありがとう、高尾君」


本日二度目の雷が落ちた。それだけじゃない、異常に速まる鼓動と巡る血液、震える体、溜まる熱、ぐるぐるとした思考、どうしようもない締め付けられるような胸の苦しみ。


「…あの、やっぱ変だっ」
「死ぬ」
「…おうん?」
「雫離れなさい、かっずーが死ぬ」
「え、え、そんなに変」
「違うからみてなさい」


一向に落ち着かない心拍数と身体中の熱、破壊力が凄い、血は巡りすぎているのに起こる息切れ、症状が半端じゃない。
それでも伝えなければと一歩先に下がった雫ちゃんの腕をもう一度引き寄せる。鶴ちゃんが「死ぬぞ」と呟いたがそんな事は知らない。君のためなら死ねる。だ


「高尾君、大丈夫、大丈夫?」
「可愛いです」
「かわ…」

「めちゃくちゃ可愛い!!死ぬ!!あのさあ自覚してよ世界一可愛い事!!ああああ大変じゃん!!でも可愛い!!可愛いから全て許される!!雫ちゃんが殺人兵器持ってきたよ死ぬ!!いやもう結婚してく」
「はいストップ、次は雫が死ぬ」


世界一可愛いからって調子のらないでください!俺が死ぬ!!



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