高尾君って可愛い。そうなった。

私の高尾君のイメージは、“笑顔が素敵”“ムードメーカー”“笑い上戸”だったんだけどその中に“可愛い”が入った。
なにが可愛いかって、高尾君はよく赤面をする。乙女か、あれ、このフレーズどっかで聞いたな。「真ちゃんどんだけ占い信じてるのよ!!乙女かっ!!」「…煩いのだよ」あ、高尾君だったわ。
ちなみに“真ちゃん”というのは高尾君の相棒の緑間真太郎君のあだ名だ。詳しくはしらないけど高尾君は攻めらしい。クラスの女子がはしゃいでいた。


「(……緑間君睫毛なっが)」


下睫毛長すぎて眼鏡のレンズに当たってんじゃないんだろうか。緑間君ってうちのクラスで女子より美人だ。女子には失礼だけど。いや、私も女子だけど。


「…、おい」
「はい」
「近いのだよ、というかなんなのだよ」


……み、緑間君。ひどい、これは酷い緑間君。ちょっと緑間君の隣まできただけじゃあないか。緑間君はあれか、鬼か、ちょっと「緑間君なんで英訳辞書あるの?」とかいう会話したかっただけじゃないか。
結局どうすればいいかわからず俯いていたら高尾君が爆笑しはじめた。


「っは、ひゃはははは!!真ちゃん、それはひでーよ!!もう!!これだから真ちゃんは!!あははははは!!あー腹いて、大丈夫だよ門田ちゃん。真ちゃんツンデレだから!!それにしても、真ちゃん……!!ひっー!!」

「……ツンデレ?」
「つ、つんでれではないのだよ!!」


はじめは「煩い!!」とか「黙れ!!」とか怒鳴るだけだったが、目に涙を溜めながら爆笑する高尾君が過呼吸にならないか心配になった当たりから緑間君は高尾君をゴミムシみたいな目で見はじめた。
というかツンデレってなんだ。あと高尾君笑いすぎて怖い。
ひーひーいいながら高尾君が顔をあげる。


「門田ちゃん。訳するとね、門田近いのだよ、照れるだろう。というか女子が無防備に近づくんじゃないのだよ。みたいな感じ」
「ちっ、違うのだよ!!門田がいきなり隣にくるから、」
「それ言い訳になってねーよ!!」


……つまり、緑間君は純情だから女の子慣れしてない。だからいきなり隣にこられたら困るのだよ。こんな感じか。


「…乙女か」
「乙女だね、真ちゃん」
「乙女じゃないのだよ!!」


高尾君も緑間君も可愛すぎるだろう。


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