モデルの日常



『おはよう、涼くん』

「みんな休みなのに俺だけ仕事って…なんか悲しくなるっス…」

『そうだよね…涼くんはうちの家のために働いてくれてるもんね』

「そ、そんな悲しい顔しないで!?でもぉ…かなっちが一緒に仕事場に来てくれると俺嬉しいっス!…なーんて」

『え、行っていいの?』


え?逆に来てもらっていいんスか?


『私ね、一度でいいから涼くんのお仕事先に行ってみたかったの!いつも雑誌の中でしかモデルな涼くん見たことないし…』


どうやら本当に来てくれるみたいっスね…やべっ、今日はかなっちを独り占めできるっス!


「かなっちなら大歓迎っスよ!一緒に行くっス!」

『ほんと!?ありがと、涼くん!私着替えてくるね!』


現場についてきてもらうなんて…。あ、カメラマンさんに頼んでかなっちと一緒に撮るのもいいっスね!


―――撮影スタジオ。


「ここがスタジオっスよ」

『わぁ〜…広いね!』

「でしょ?」

『いっぱいカメラとか機材があるんだね…すごいや!』


スタジオを見てテンションあがってるかなっち。やっぱり連れてきて正解っス!


「黄瀬くん、着替えお願いします」


そうスタッフが俺に声をかけた。


「かなっち、俺一回楽屋戻るっスけどどうするんスか?」

『私も戻る!』

「じゃあ行くっス!」


そう言いながらかなっちに右手を差し出すと、ちょっと照れながら手を握ってくれた。


―――楽屋。


『涼くんカッコイイね!』

「ほんとっスか!?かなっちに言われると嬉しいっス!」


衣装に着替えてかなっちにお披露目すると、輝かしい目で俺を褒めてくれたっス。


「黄瀬くん、スタンバイお願いしまーす」

「了解っス!かなっち行こう?」

『うん!』


―――スタジオ。


「黄瀬くん、目線コッチ〜あ、いいね!そのままポーズ決めて…はい、オッケー!しばらく休憩してください」

『わかったっス!』


とりあえず一区切り撮り終わったっス。かなっちはどんな反応してくれるんスかね?


『涼くん、お疲れ様!』


かなっちが俺に水とタオルを渡してくれた。なんかマネージャーみたいっス!


「どうでしたか、俺?」

『いつもカッコいいけど、生で見ると何倍もカッコよかった!』

「あ、ありがとうっス///」


そんな真正面から言われたら照れるっスよ…

しばらくかなっちと話していると大切なことを思い出した。


「かなっち、ちょっと待っててくださいっス!」

『うん』


俺は小走りでカメラマンの元へと向かった。


「ねえねえカメラマンさん、俺とあの女の子撮ってほしいっス!」

「あぁ、黄瀬くんの彼女かい?」

「彼女…まぁ近い将来はそうなるんスけど今は違うっス!でいいっスか?」

「ああ、もちろんだよ!じゃああの子もメイクアップしないとね、頼んでくるよ」

「ありがとうっス!」


かなっちの元に戻ると「なんか頼みごと?」と言ってくれた。


「かなっち、撮影しないっスか?」

『さ、撮影?私が?』

「そうっス!別に雑誌に載ったりしないし…言えば俺と記念撮影みたいなもんスよ」

『モデル涼くんとの記念撮影かぁ〜…やろっかな!なかなかモデルさんとも撮れないしね!』

「マジっスか!?じゃあ早速着替えにいくっス、俺はスタジオいるっスから!」

『え、着替えるの!?』


するとスタッフが俺たちのところに声をかけに来た。


「黄瀬くんに聞きましたよ、かなちゃんだよね?じゃあコッチの楽屋に行きましょうか」

『ちょ、ちょっと…』


スタッフはかなっちの手を引いてスタジオを後にした。どんな格好なのか楽しみっス!


―――数十分後。


「かなちゃん準備できましたー」


そうスタッフが言うと遠慮がちに後ろからかなっちが出てきた。

花柄のミニワンピースを着て、いつも着ている服とは全然違っていて。普段あんまり化粧をしないかなっちがうっすら化粧をしていた。


『りょ、涼くん…どうかな?変じゃない…?』

「…わ…いい」

『へっ…?』

「可愛すぎるっス!もう天使にしか見えないっス!」


そう言いながらかなっちに抱きついた。


『あ、ありがと…』

「じゃあ撮るっスよ!」


カメラの前に行って俺は次々ポーズを決めているがかなっちは固まったまんま。


「かなっち、プリクラ撮るみたいにするっス」

『プリクラ…』


アトバイスがきいたようで、照れながらもポーズを決めていくかなっち。今日来てもらって良かったなんて考えているとあっという間に撮影終了。


「かなっちどうだったスか?」

『ちょっと恥ずかしかったけど楽しかったよ』

「楽しんでもらえて良かったっス!じゃあ今日の仕事は終わりなんで帰るっス」

『家に帰ったらご飯作らないとね!涼くんも手伝ってね?』

「もちろんっス」


帰り際に今日かなっちと撮った写真をもらった。それを車でマネージャーに家まで送ってもらっている間に見た。


『この写真いいよね』

「そうっスね!」

『この写真机に飾るね』

「お、俺も飾るっス!」

『ふふっ、お揃いだね』

「っスね!」


こうして長いようで短かった1日が終わった。こんな休みの日も悪くないっスね!



モデルの日常


--( ˘ω˘) アトガキ--

由さまからのリクエストでした、黄瀬くんの日常!こんな感じで良かったのかな…

このお話は由さまのみお持ち帰り可能です!サイトに置いていただければ嬉しいです!


prev next

 

「#オメガバース」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -