Trick or Treat (7)




あっくんに教えてもらった通り、テラスに居る征くんを発見しました!


『征くん、何してるの?』

「本を読んでいる」


何やら「プロをも越える!?将棋の打ち方」と言う名前の本を読んでいました。征くんの将来がわかりません。

それはさておき。早速いってみましょう!


『征くん、Trick or Treat!』

「はい、飴をあげる」

『ありがとー!早速いただきます…』


包み紙から飴を取り出して口に含むと、私の大好きなピーチ味でした。


『ん〜ピーチ味は美味しいっ!』

「かなは昔からピーチ味が好きだろう?だからそれにしたんだ」

『ありがと、征くん!』


征くんの座っている前でピーチ味の飴を味わっていると、征くんがじっとこちらを見てきました。


『な、なに?もしかしてうるさいかな…』

「…Trick or Treat」

『…へっ?』

「だからTrick or Treat」

『いや、今征くんくれたよね?』

「僕にはくれないのかい?」

『でも今何も持ってないよ?』

「あるじゃないか、ココに」


"ココに"とさした征くんの指の先には私の頬っぺた。もしかして今食べている飴のことなのかな…?


『征くんが欲しがってるのって私の食べてる飴…?』

「ああ。じゃあいただきます」


するとドンドン征くんの顔が近づいてきました。も、もしやこれはキスされる…!?

覚悟を決めて目を瞑ると、どこからか聞きなれた声が。


「なにやってるんですか」

『テツくん!』
「テツヤか…」

『ど、どうしたの?』


せ、セーフです!テツくんが来てくれたおかげでキスを回避できました!


「テツヤ、邪魔をするとはいい度胸だね」

「僕は邪魔したわけではありません。かなさんにお菓子を持ってきたんですよ」


ドンっと大量のお菓子がテーブルの上を埋め尽くします。


「さっきは何も持っていなかったので買ってきました」

『あ、ありがとう…あっ!征くんこれあげる!』

「あぁ…」


これで私の口の中の飴は取られずに済みました。しばらくテツくんには頭が上がりませんね…



--( ˘ω˘) アトガキ--

Happy Halloween!



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