「和奈最近赤いもの増えたね〜」 前はそんな赤なんて持つイメージなかったのに お昼休み、友人が私にそう言ってきた。 「そ、そうかな…?」 適当にはぐらかしているけど、増えている原因はわかっている わたしは今、彼氏がいる。その彼氏は赤司征十郎。彼は名字にもあるように赤い。名字だけでなく髪の毛も瞳も わたしはその赤に引き込まれ好きになった それから私はほぼ無意識に赤い持ち物を増やしていた 「そうだって!めっちゃ増えてるじゃん」 「ま、前と変わらないって」 「ないない。赤好きになったの?」 「そ、そうそう!すきなの」 「…和奈」 「あ!征十郎くん」 「悪いけど、すこし借りていくね」 「う、うん!」 和奈はいきなりあらわれた赤司に連れられ、屋上に向かった 「どうかした?」 「いや、特に理由はない」 「そ、そう…?」 しばらく沈黙が続く すると 「最近赤い持ち物が増えているのは僕が原因か」 「え?」 「さっき話していただろ?」 「あ、…うんっ!征十郎くんに出会って、こうして付き合うようになってから、赤ってこんなにもきれいな色だったんだって気付いたの」 今では1番すきな色だよ。ありがとうと和奈は微笑む 「好きなのは"赤"だけかい?」 意地悪な笑みを赤司は浮かべる 「そんなことないっ"赤司"…征十郎くんが好きっ」 和奈は顔を真っ赤にして言った 「…和奈、今の奈音の顔"真っ赤"だよ」 まるで僕が染めたようだ そう言って奈音の額にキスをした 「…これからも征十郎くんが染めてね?」 わたしの心まで 和奈は微笑みながら言った わたしはこれからもっと赤に惹かれる 彼がいる限り (もちろんだよ。どんな色も赤に見えるくらいにね)(そ、それは…)(わからない?僕だけを見てればいいんだよ) |