3時限目が終了し、私の空腹はすでに限界となっていた。授業中もお腹が鳴らない様腹筋に力を入れて何とか持ちこたえたものだ、よく頑張った私。自分を労わるために家から持参したお菓子を食べるべく、机の横にかけているスクールバッグをあさり、ポッキーを取り出した。4時限目が始まる前の腹ごしらえ。箱を開けじゃがりこの如く食べていると、横から、穴が開きそうなくらいに凝視されていることに気が付いた。 横目に見てみると、いつも眠そうな目に肩まである紫色の髪の彼、紫原敦。彼は私の隣の席で、いつも何かしらお菓子を口にしている。その彼が私を、…いや、ポッキーをガン見しているという事は。 いやいやまさか、ポッキー食べたくてこんなにも見ているなんてそんなまさか。もう一度、横目で見てみる。 やっぱり見られてたー。 どうしよう、ここは「食べる?」みたいに声をかけるべきだろうか。だがしかし!私は紫原君と隣の席というだけで話したこともないし、変に思われるのだけはいやだ。それにしても視線が痛い。耐え切れなくなった私は遂に声をかけてみた。 「…食べる?」 聞くや否や目を輝かせ音速ともとれるスピードで、手に持つ箱からポッキーを抜き去って行った。 「ありがとー、かずちん」 「え、かずちん?」 なんだかずちんて。可愛いな!オイ! 「ねー、俺もお菓子持ってきたんだー」 机の中からごそごそ取り出したのはポテトチップス。見てー。と言いながら口に2枚はさんでくちばしみたいなことをやっている。吹いた。 そんなこんなで私と紫原君のファーストコンタクト。それから次の日も 「ねーお菓子持ってきたー?」 「あ…ごめん今日はないんだ」 「アララー残念」 次の日も 「今日はある?」 「うん、まいう棒」 「マジかちょうだい」 「どうぞー」 「俺も持ってきたんだーウニ味」 あげる、というかのように差し出されたまいう棒。ありがとうと受け取り私の持ってきた分も渡して交換。それがいつの間にか私の日常となっていた。 お隣さんと、 (今日もお菓子を交換します) |