短編小説 | ナノ

君が好き



いつからだろう。

君を幼馴染として見れなくなったのは。こんなにも"愛おしい"と思い始めたのは。



『赤司くん、一緒にご飯食べよう?』

「なんだめずらしいじゃないか、つぐみから僕を誘ってくるなんて」

『だって…桃ちゃんが黒子くんのところへ行っちゃったんだもん。1人で寂しくお昼なんて悲しいじゃん…』

「相変わらず寂しがり屋は治らないんだね、小さい頃から」

『でも何だかんだ言って、小さい頃から赤司くんは一緒にてくれるもんね!』

「ああ、今貸しを作っておいて将来損はないからね」

『貸し!?ひどいよ赤司くん!』

「じゃあ1人で食べるんだな」

『わわ、待って!』



僕が貸しを作るために小さい頃から一緒にいると思っているのか?

そんなわけがない、君を繋ぎ止めたいからに決っているだろう。

こんな君を好きになるなんて僕らしくないが、好きになってしまったんだ。



―――屋上。



お互い横に並びながら何を話すわけでもなく黙々と食べている。

その沈黙を破るかのように君は話し出した。



『赤司くんってさ…好きな子居るの?』

「話が急すぎる、意味がわからない」

『意味がわからないって…言ったことそのままだよ』

「それを聞いて何になる、僕に利益があるのか?」

『ただ聞いただけだもん…で居るの、いないの?』



つぐみは僕に近寄ってきてそう問いかけた。よく見れば真剣な目で僕を見ている。

これは期待してもいいのだろうか…いや自惚れてはいけないな。



「…居るよって言えばどうなる?」

『べ、別に…』



この反応、期待させるつもりかい?なら僕も期待させようじゃないか。



「つぐみ」

『なあに?』



君がこちらを向くと同時に抱きしめた。



『ちょ、赤司くん!?///』

「何だい?」

『何でっ…えっ!?///』

「…君は言わないと分からないのか。何年僕と一緒にいるんだ」

『ご、ごめんなさい…』

「別に謝ることじゃないだろう」

『う…///』



僕は大きくため息をつきながら君の耳元で囁いた。



「僕は…君が好きなんだ。これから先、ずっと一緒にいてくれるね?」

『…うん///』



僕からこんな言葉なんて中々聞けないんじゃないか?ありがたく思ってほしいね。



君が好き

(さあつぐみ、僕にキスをしてくれないか?)
(な、何言ってるの!?)
(そう…嫌か。じゃあ僕の前に膝まづいておねだりしてもらおうか)
(……)



--( ˘ω˘) アトガキ--

最初は王道だよね☆←


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