短編小説 | ナノ

本と私



『テツヤくん』

「……」

『ねぇ、テツヤくん』

「……」


今は2人で図書委員をしているのですが、あまり人が来ないので、図書室の奥にあるソファに座って本を読んでいます。

って言っても主にテツヤくんなんですけどね、本を読んでいるのは。


『テツヤくんってばぁ…』

「つぐみさん、図書室ですから静かにしないと」

『だってテツヤくん本ばっかり見てつまんないんだもん…』

「部活ない日は読書をすると決めてますからね」

『…もういい!テツヤくんは私より本が好きなんでしょ!?テツヤくんのバカ!』


私は図書室を飛び出して、泣きながら屋上へと向かいました。


『テツヤくんのバカっ!折角部活お休みだから一緒に居れると思ったのに…』

「つぐみ?」

『え、火神くん?何でここに居るの?』

「泣きながら走ってたから気になって来たんだよ。黒子となんかあったのかよ?」

『テツヤくんは私よりも本が好きなんだよ…部活お休みだから一緒に居たかったのに…』


あ、また泣きそう…なんて思っていると、火神くんが私の顔を挟んで上を向かせました。


「んな顔すんなよ…」

『だって…不安なんだもん』

「俺ならぜってー不安なんかにさせねーけど?」

『えっ?』

「黒子じゃなくて俺と…「つぐみさん」げ、黒子…」

『テツヤくん…』

「行きますよ」


と腕を引っ張られて、誰も居なくなった図書室へ押し込まれてキスをされました。


『ぷはっ…テツヤくん…?』

「火神くんと何してたんですか?」

『テツヤくんには関係ないよ…私より本が好きなんでしょ?』

「そんなわけないじゃないですか…」

『だって返事もしてくれなかったじゃん!』

「あれは…緊張してたんです…」

『緊張?』

「部活が休みで一緒に居るのは嬉しいですが、何をしていいか分からなかったんです…」

『…本当?』

「はい」

『私のこと…好き?』

「もちろんです」


と言うと、テツヤくんは腕を広げて「どうぞ」と言った。私はそこに目掛けて抱きついた。


『ごめんね、テツヤくん。バカなんて言っちゃって…』

「僕もすみませんでした。じゃあ委員の仕事が終わってから、デート行きませんか?」

『行くっ!』


すれ違いもあるけれど、今日は新たなテツヤくんが見れました!



本と私

(そう言えば火神くん、何て言おうとしたんだろうね?)
(まぁ予想はつきますから、後で絞めます)
((!?すっげー寒気したし…つか俺はあの時何言おうとしてたんだよ…))



--( ˘ω˘) アトガキ--

いや、ごめんなさい。本当にごめんなさい。何がしたかった、俺!ちゃんとリクエスト通りなのか!?

浅葱様、ごめんなさい。もうスライディング土下座です、はい。


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