普段と違う休日
今日は休日。どうやら他のやつは出掛けており、俺とです子だけが家にいる。
『真くん、今日のお昼はチャーハンでいいかな?』
「ああ、です子の作るものなら何でもいいのだよ」
『じゃあこの番組見てから作るかなー』
なんとも心地いい時間が流れており、今日も平和だと思った矢先にインターホンが鳴る。『はいはーい』とです子がインターホンのカメラも見ずにドアの方へと向かう。
「です子待つのだよ」といい、俺がカメラを確認するとアイツが映っていた。
急いでです子の元へ向かい、ドアを開けることを阻止しようとしたが一足遅かったようで。すでにアイツはです子の前でヘラヘラしながら立っていた。
「ちっす、です子ちゃん!あ、真ちゃん遊びに来たぜー!」
『高尾くん!いらっしゃーい!』
「な、なんでお前が家に来るのだよォォォ!!!」
です子はあっさりと高尾を家に招き入れる。
本当は止めたかったが、『初めてだよね、家にお友達が来るのって!』と笑顔で言われては何も言えなくなる。
確かにそうだ。赤司の命令でこの家には友達さえも入れるなと言われているからだ。…もちろんです子はそんなこと知らないが。
しかし…今日、赤司は義両親と食事をするから実家に泊まっていることが救いだ。
『高尾くん今日はどうしたの?』
「んー…なんか思い立って来てみた!」
『休日っていっても毎回やることって無いもんねっ』
「おっ、です子ちゃん分かってるじゃん?」
『私も暇だったの!あ、そろそろお昼だからご飯食べる?』
「え、です子ちゃんが作んの!?」
『そうだよー。家事全般は私のお仕事だからね!』
「俺、です子ちゃんの手料理食べれるとかついてるわー!でも真ちゃんは毎日食ってんだな、羨ましいぜー!」
「なに勝手に飯まで食おうとしているのだよ!!」
「えー別にいいじゃーん?ねーです子ちゃーん?」
『ご飯はみんなで食べた方が美味しいんだよ?だから、ねっ?』
首をかしげて上目遣いをするです子に怒れるはずもなく、仕方がなく許可してやった。
『はいどうぞー』
「サンキュー!いっただきまーす!」
「…いただきます」
「やっべ、美味すぎ!」なんて言いながら食べる高尾を見て深くため息をつく。このあと、コイツが素直に帰るとも思えないからだ。
とにかく無駄のことをさせずに高尾を帰らせなければならない。
「ふぅーごちそうさま。ありがとです子ちゃん!」
『いえいえ。じゃあ私、洗い物とか色々あるから。ゆっくりしていってね』
です子は俺たちが食べた食器を洗ってる間、高尾を自室へと仕方がなく入れる。変にリビングにいられて帰ってきたやつらに出会うのを防ぐためだ。
「高尾、一体何しに来たのだよ」
「まあ暇ってのもあったけどさ、です子ちゃんと遊びたいってのが本音。どうせ赤司とかに男と2人っきりで遊ばすなとか言ってるんじゃねえかなって思ってさー。じゃ、目の前で遊べばいいんじゃね?って考えたわけですよ」
高尾の言う通り、男とです子が2人きりで遊ぶことはなんとかしてみんなで防いでいる。もちろん愛ゆえにだ。
「お前は時に鋭いな、呆れるほどに…」
「あ、やっぱり正解なんだ?で何して遊ぶ?ゲームとか持ってきたけど!」
「…少しだけだぞ」
「わかってるって!じゃあです子ちゃん呼んでくるー☆」
何やら高尾のペースに流されている気がするが…とにかく穏便にやり過ごすことが最大の問題だ。
もし他のやつが帰ってきたらどう言い訳をしようか…などと考えていると高尾に呼ばれたです子が部屋に入ってきた。
『ゲームなんて久しぶりだからできるかな?』
「です子ちゃんが得意なやつしようぜ!何が得意?」
『んー…リズムゲームかな?』
「おお意外!いいぜ、やろう!」
『うんっ!真くんそれでいいかな?』
「ああ。」
しばらくリズムゲームを楽しんだ後は俺と高尾のプレイを見るです子。笑ったり驚いたり忙しくしていたが徐々に口数が減り、ついには黙ってしまった。
「あれ、です子ちゃんつまんなくなっちゃった?って…真ちゃん、後ろ。」
「どうしたのだよ」
後ろを振り向くと俺のベッドの上でです子が寝ていた。
「…寝ちゃってるね」
「ああ…」
「寝顔、可愛いなあ」
「高尾…手を出すなよ」
「わかってますよー」
幸せそうに眠るです子。「そろそろ帰るかな」と高尾が言い出したので片づけをし、です子に布団をかけ、高尾を玄関先まで送る。
「あー楽しかった!今日はサンキューな!」
「こっちは迷惑だったのだよ。」
「また遊ぼうな、3人で」
「覚えていたらな。それと家に上がったことは誰にも言うなよ。」
「へいへい!赤司怖ぇしな」
「さっさと帰れ」
「ひっどーい真ちゃん!ま、明日学校でな!」
高尾が俺に背を向けて歩き出す。少し進んではっとしたように俺のもとへ戻ってくる。…なぜかニヤニヤしながら。
「今日寝るとき楽しみだな♪」
「?何言ってるのだよ?」
「夜になったらわかるから」
そう言い残し帰っていった。
部屋に帰るとです子が起きていた。
『あれ…高尾くんは…?』
「さっき帰ったのだよ」
『そっか…寝ちゃったけど楽しかったね!』
「ああ、そうだな」
楽しそうに笑うです子を見て、やっぱり高尾を家に上げたのは少し良かったなどと思った。今日くらいは少し感謝してやる。
普段と違う休日夜、寝るためにベッドへ入り、大きく息を吸い込む。そこでようやく高尾が言っていた意味が分かる。
「そういうことだったのか…」
なんだか疚しい気持ちになり、しばらく床で寝ることにした緑間だった。
--( ˘ω˘) アトガキ--
更科様リクエスト、高尾が遊びに来て長編夢主と緑間の三人でわいわい遊ぶお話でした。
もう遅いとかのレベルじゃないですよね土下座ですいやそれ以上ですごめんなさいいいいいいいい!!!!
もうなんか話とかぐっちゃあってなってるし謝罪の言葉しかないですはい…。
で、でもっ、本当に企画の参加ありがとうございました更科様!これからも仲良くしていただければ嬉しいです、はい…。
≪ | ≫