n/p | ナノ



01
=====================

「ここは関係者以外立ち入り禁止です。搬送の邪魔になりますのですぐに出て下さい。」

祖母の見舞いで親父の病院までやってきたはずが、気がついたら救急外来に来ていたらしい。というか、単純に驚いた。

この病院で、オレを知らない看護師がいるなんて。

新人か?と、声がした方を振り返ってじっくり見ると、どうやら看護学校から来ている実習生のようだった。歳は、19か20か。気の強そうな眼差しに、ちょっとイラっとくる。オレは気の強い女は嫌いだ。

「あ、ちょっとちょっと、陣内さん。彼はいいの、」
「え?」
「院長先生の息子さんの賢二くんよ!」

先輩ナースの言葉に「ああ、そうだったんですか。」なんて言いながらも、もう一度こちらを振り返ったその目は、さっき以上に眼光鋭い。すうっと息を吸うと、子供を叱り飛ばすかのように一気にまくし立てた。

「あのね賢二くん。ここはお仕事の場だからね。院長先生に用事なら寄り道してないで真っ直ぐ院長室に行きなさい。」

こ、この女!?

3つか4つしか歳の離れていないであろう女に子供扱いされ、完全に頭にきたオレに、先輩看護師が駆け寄ってきた。

「ああっ!陣内さん、ストップ!!賢二くんどこ行くの?案内するよ??」
「今日もおばあさまの所?それとも院長室?」
「あ、もしかして帰るとこ??タクシー呼ぼうか??」」

見習い看護師は、二人、三人と笑顔で寄ってくる他の看護師達を一瞥してため息をつくと、「後はよろしくおねがいします。」と形ばかりの礼をして奥の病室へ消えていった。

、、、ムカつき過ぎで言葉が出ねえ。
そんなファーストインプレッション。


prev next
back


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -