33 Aus dem Regen in die Traufe
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どうしよう、なんて返そう。
土砂降り雨の夕方、図書館のロビーで携帯を睨みつけたまま。嫌な汗が出てきた。
えーと、どこにいるのかを聞かれてるんだから、それに答えればいいのか?って、いやいや、違うよ。まずは、さっきのメールの説明をしないといけないよね?あー、でもなんて説明すればいいんだろ、、、
《件名 ゴメンナサイ》 《本文 相談したいことがあったんだけれども、 テンパって変な文章でメールを送ってしまいました。 さっきのメールはなかったことにしてください。》
送信、と。
ブブッブブッ
うわあっ、返信早い、、、
《件名 Re:ゴメンナサイ》 《本文 だから、今、どこにいんの?》
うーあー、無視?無視した??わたしの弁解は無視ですか???もう、本当に消えてなくなりたい、、、
返信できずに、しばらく携帯を持ったまま固まっていると、今度は持続的に携帯が震える。
う、電話かかってきちゃった、、、とりあえず、出ないわけにはいかない、よね?
「も、もしもし、、、」 『で、なに?』 「え、」 『相談。あんだろ。』 「えーと、あの、実は、り、留学をね、、、」 『は?』 「い、いや、なんでもないです!!」
うわーん、怖い。怖いよ。なんだかわからないけれども、電話のヤマケンくん、超怖い。
『なに、会えないってそーいうこと?留学すんの?いつ?どこに??』 「あー、もう、ゴメンね。ヤマケンくんに全然関係ないのに、こんな話、変だよね?忘れて?」 『はあ?あんたさ、話振っといて逃げんなよ。で、今はどこにいんだよ?』 「本当に、もういいから!ゴメンなさい!!」 『・・・・・』
あ、あれ?黙っちゃった。怒った?そりゃ怒るよね、、、
「あ、あの、、、」 『、、、ああ、もういいわ。』 そう言って、電話はブツリと切れた。
、、、どうしよう。怒らせた。わたし、ヤマケンくんを怒らせた! そりゃ、そうだよね。勝手にわけわからないメール出して、返事をくれたのにごまかして逃げようとして。
もう、何やってるんだろ?
相手の電話が切れた後の、プー、プー、という電子音を聞きながら、情けなくて泣けてきた。
きっと嫌われた。
もちろん、元から好かれてるだなんて思ってもないけれど、ようやく普通に話ができるようになったのに。一方的に見てるだけじゃなくて、友達っぽくなってきたのに。せっかくできた初めての「男友達」だったのに。
というか、わたしの「好きな人」、だ。
そうだよ、わたし、ヤマケンくんのこと好きだったんだ。だからこんなに打たれ弱い。少し拒絶されただけで、この世の終わりのような気分。
涙がジワジワと溢れてきて、今にも目からこぼれ落ちそうだ。
こんなしょうもないことで怒らせてしまって、何やってるんだろう?
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