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「も゛っやだぁ!! イかせてっ…イかせてよ――っ!!」
「…さっきから何度もイってるじゃあないか ――こんなに、はしたなく身体を痙攣させて」
「違っあッッ! そ…じゃ、な、あっ、あああ!」

どうしてこんなことになったのだろう。三畳ほどしかない狭いスペース。上下左右で目にはいるのは打ちっぱなしのコンクリートの壁だけ。

ただし、目の前には唯一、巨大な鏡が壁全体を覆い、俺の痴態を写し出していた。

俺は素っ裸で、パイプ椅子に足首と後ろ手にされた手首をくくりつけられて、知らないおっさんにチンコを舐め回されながらビクビクと感じてしまっている。

狭い部屋には俺の他に男が5人。全員スーツを着て、まるでいつかみたAVのように目だけを隠すマスクを着用して、その奥のにごった瞳で、思い思いの場所から俺を視姦している。

そのうちの一人が鏡を背にして俺の足下にかがみ込み、もう30分以上フェラを続けているのだった。

「ああっ! もぉっ! もぉ…無理っお願い――!」
「なんだ、もっと気持ちよくなりたいのかな? 欲張りだなあ」

今まで後ろで見ていた男 のうちのひとりがそう言いながら俺に近づいてくる。背後に立つと、いきなり俺の脇の下から手を伸ばして、堅くなった乳首を下から撫で上げてきた。

「ぁ ああ゛っ、それっだめッだめっ…!」
「なんだ、乳首でイっちゃうのかな?」
「あっ! ひ、ぃ゛! ―――ッッ!!」

押しつぶすようにこね回されると、視界に火花が散って俺の身体が小刻みに痙攣する。今日何度目かわからない絶頂だったのに、まだ一度も射精を許されていない俺の性器は足下のおっさんの口の中で虚しく跳ね上がるだけ。

「あ゛あ゛ッ! 出せな…ぁッ! 取って! これっ取ってぇ!」

その根元には、金属のリングがはめられて常に圧迫され、おまけに尿道には細い管が突っ込まれている。

さっきから何度も絶頂は経験しているのに、射精させてもらえない苦痛が俺を狂わせていた。

「ん? まだイケるだろう?」
「んっあっやめ、ぇッ! また、ぁ、――い、くッッッ!!」
「ほらほら、イってる最中も乳首いじってあげるよ」
「――ひッ、あっ! っああ! ああ! そ、んっあ! だめっ、やめ、あ゛ッ」

気持ちよすぎて辛いくらいの快感が身体を走り抜けているまさにその最中に、乳首を絶妙なタッチで執拗なまでにこね回されて俺は痙攣の止め方を見失った。口を「あ」の形に開けたまま意味をなさない声をあげて、椅子に固定されたからだが、びく、びく、びく、と飛び跳ね続ける。

「あーあ、Nさん、この子壊れちゃいますよ」
「またまた。Uさんのフェラのねちっこさにはかないません」

俺のチンコを舐め続けていた男が、初めて顔を上げて、俺の背後の男と互いに記号で呼び合いながら話し始める。

まるで天気の話でもするみたいに、穏やかな会話を、呼吸もままならない全裸の俺を挟んでにこやかにする。

ただ、その目だけは後ろで突っ立っている男たちと同様、どす黒く濁った色をして俺から目を離さない。
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