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「Kさん、そろそろ」
真を侵し続けていた男がKと呼ばれ、名残惜しそうに真から自身を引き抜いていく。崩れ落ちそうになる真を他の男たちが左右から支えた。
「ここからがお楽しみですね、」
誰ともなく発せられたその言葉を合図にして、力の入らない真の膝がたやすく片方ずつ抱え上げられた。
俺は目の前で強制的に双子の兄のM字開脚を見せられて、思わずひくひくと動く肛門まで凝視してしまう。
「み、のる、見んな――おねが、」
真の言葉で我に返りとっさに視線を逸らすと、チンコの先端になま暖かいものが触れた。
ひ、という真の声で思わず視線を戻すと、今まさに真の肛門が俺の先端を飲み込もうとするところだった。信じられない状況に頭が急激に冷えていく。
「なっ!! おいっやめろ! ふざけるな!」
「安心してください。無理やりはさせませんよ、入れるのはあなた自身ですから」
「は―――」
訳の分からないことを言うと、男たちが俺を拘束する紐をほどいていく。ただし、自由にされたのは下半身だけだ。男は続ける。
「自分で、入れてみてください。そしたら手も解いてあげますし、おちんちんのリングも外してあげます」
「そっな、…するわけ、ねーだろ」
「そうですか?」
男が目で合図すると、真を抱え上げる男たちがほんの少しだけ真を下に降ろす。俺は反射的に腰を引くけど、すぐに椅子の背もたれに阻まれてしまう。
「やっ、 だ、実、俺、…や、」
兄貴が普段からは考えられないような、涙でぐちゃぐちゃの顔を弱々しく左右に振る。腰を上げたくてもそんな体力はもはや残っていないのだろう。俺も必死で腰を引いているが、無理な姿勢に体力がじわじわと削られていく。
「頑張るねえ、じゃあ、もう“アレ”行っちゃいましょうか」
“アレ”と聞いて、嫌な予感にこれまでと違う汗が流れる。その予感は的中して、男が取り出したのは2本の注射器だった。中身は当然、俺が最初にこの部屋で目覚めたときに注入されたものと同じだろう。
俺以上にその効果を体感している真が、注射器を見た途端力の入らないはずの身体を子供のように暴れさせて拒否する。
「……! やだっ! もうそれやだぁっ!」
だけど男たちはたやすく真の体を押さえつけて、慣れた手つきで注射をする。俺も為すすべもなく、液体を流し込まれた。
「ふっ、ああっ――っぁ!」
「ひっ、あっ、や、あつ、い…っ」
最初の時と同じ、いやそれ以上に薬の効果はすぐに現れてくる。
真の身体は俺の、より一層硬度を増したその先に固定されたまま、俺たちが身体を身悶えさせるのを男たちは一言も発さずに見ている。
1度目の効果が上書きされることもなく、確実に2倍の疼きが俺を襲う。いつしか自分の双子の兄だというのに、俺は挿入したいという欲望に支配されていた。
それでもなんとか耐える俺にしびれを切らせて、誰かが耳元でささやく。
「我慢してたら、いつまでもこのままだよ? それでは真君も実君も辛いだろう?」
「う…ぁ、」
他の男たちも次々に俺に 近寄ってきて、口々に甘い言葉を囁く。
「早く終わらせた方がお互いのためなんじゃない?」
「仕方ないじゃないか、 君は今無理矢理こんなことをさせられているんだから」
「誰も君のことなんか責めないよ」
「――出したいんだろ?」
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