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どうしてこんなことになったのだろう。俺はただあいつと買い物をしていただけなのに、気づいたらこんなところで縛られていたのだった。

おまけにおかしな注射をされた途端に、痛いくらいの勃起が始まり、管が入るほどに尿道はゆるゆるで、おっさんのフェラと愛撫でこんなにも感じる身体が出来上がってしまったのだった。

「あ、は、あっ…ぁ―――も、ほんとに、辛、い…からぁ」
「んー? もうギブアップなの? どうしましょうか…」

そういって、フェラをしていた男が尿道の管をずるずると半分ほど引き抜く。

「あ゛っ ん゛っあ゛あ゛あ゛!! やめて! やめてぇ! 抜かな、あッやっ!」
「わがままだねえ。取りたいのか、取りたくないのか、どっちなのかな?」

言いながら、引き抜いた管を奥に戻したり、また途中まで引き抜いたりをゆっくりと繰り返す。

引き抜かれるとぞわぞわ、戻されるとびりびり。どちらの快感の波も引ききらないうちに次々と抽送を繰り返されて、処理しきれない快感が体の中で暴れ回る。

「止め…ッ!! 止め、と、め゛! おね、おねが、――し、ま、」
「かわいいねぇ…そんなに言うならやめてあげる」

なかなか言葉にならない単語を必死で並べて、とうとう俺は懇願する。それを聞いた男は、きっちり管が尿道の一番奥まで入ったところで動きを止めた。同時に後ろの男も手を離す。

ほっとしたのも束の間、思い出したように射精欲が身体を支配し始める。だけど男たちはそれを見透かすように、さっきとは打って変わって俺の身体には指一本も触れてこない。

はぁはぁと息をあらげる俺を5つの視線が鏡越しに舐め回す。

鏡の中の俺が、扇情的な目で俺を見つめている。肌を上気させて、もじもじと動ける範囲で内股をすり合わせる様子は、まるでトイレを我慢する子供のようだ。

俺は気を紛らわそうと他のことを考えようとするけど、絶え間なく身体を突き刺す疼きが思考を許さない。

出せないながらも、辛くとも、快感を感じていた時はまだよかった。頼りになるものが自分の理性だけとなった今、ただ、射精したいというそれだけの欲望で身体が塗りつぶされていく。

「あ、――っ あ、ぅ、っ…は、」
「ずいぶん辛そうだね。どうします、Yさん」

Y、と呼ばれた男が壁に持たせかけていた身体を起こして俺に近づいてくる。つ、と俺の肩に指一本で触れながらにやけた口元を開いた。

「そうですね、そろそろご対面でもいいんじゃないですか」
「あちらももう出来上がっていることでしょうしね」
「では、そうしましょうか」

訳の分からない会話をすると、一人の男が携帯をとりだしてどこかと連絡を取り始めた。

「…な、に」
「良かったね、ようや くご対面だよ」

は、と声を上げる前に目の前の鏡に異変が起きた。わずかにモーター音をさせながら、鏡が上にあがっていったのだ。驚いているうちに、鏡の向こうから光と声が漏れてきた。

「――、―――っ、…!」

下半分ほど開いた壁の向こうから、おなじようなコンクリートの空間と、誰かが苦しむような声が聞こえてくる。

「なにこれ、なん――」
「よく見てごらん。すっかり乱れた――君の、」

――そこには、そこにいたのは。

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