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「やめっろ…ミヤ、いい、加減…っ怒るぞ……!」
「罰ゲームと言っているでしょう? 約束を守らないなら、――お仕置き、しますよ」
「は、ぁ…? お仕置き、って――ひぃああっ! やめろ! やめろってええ!」

俺は靴を履いたままの片足をベッドに上げて、エナ様の身体に巻きつけてがっちりと固定する。両の肘でエナ様の両腕を俺の体に押さえつけるようにして、そのまま肘から先でシャツの前ボタンをはずしていった。

さっき自分で留めたばかりのボタンを、今度は自分ではずしていく行為に、俺は不思議な背徳感を感じて背筋がぞくりと震える。一つはずすごとになまめかしい肌の面積が広がっていくのは、まるで映画の巻き戻しを見ているようだった。

「おい、ミヤ、やめろ、なにを――」
「ああそうだ、俺も聞きたいことがあるんですよ。答えてくださいますか?」

大人の力にかなわず、身動きが取れない状況でエナ様の強気な態度があっという間に消えうせる。その代わりに、豹変した俺の態度と何をされるかわからない恐怖で、泣きそうな顔が俺を見上げる。

ああ、エナ様。お美しい。

「―― な、に、何…答えるから、お願いだから、はな、せ」
「エナ様は、なさるんですか?」
「…え、何」

だーかーら、とわざとエナ様の口調を真似て耳元で囁くと、またびくりと身体を震わせた。

「オナニーですよ。正直に答えてください」
「……!」

エナ様の表情が一瞬硬直して、すぐに赤みを帯びて怒りと羞恥がまざり合っていく。馬鹿で間抜けなエナ様は、ようやく自分が何をされそうになっているのかに気付いたようだった。慌てて俺の拘束を解こうとしてなりふり構わず暴れるけど、もう遅い。

「離せ! 離せ離せ離せ!!」
「おっと、暴れないでください」
「ふざけんな! 殺す!! 父さまに言うからな!!」
「ひどいな、エナ様。俺はただ質問しているだけじゃないですか」

暴れれば暴れるほどシャツがはだけられていき、エナ様は自ら身体の前面を晒すことになる。

桃色の胸の飾りもすぐにむき出しになった。体を触られて高ぶっているのか、いつもより少しだけ赤く、大きくなっている。見なれたはずのそれが、普段以上の色気で俺を誘っていた。今すぐむしゃぶりつきたい衝動を抑えて、薄く腹筋の浮いたお腹にそっと指を添える。

「っそんなの、答えられるわけ、」
「…へぇ。―――俺には、あんなことを聞いたのに?」
「―――――っっ!」

自分でもゾッとするくらい冷たい声がでた。エナ様も暴れる身体を一瞬こわばらせる。

俺の中で我慢していたものが一気にあふれ出て、体中がいよいよ熱くなっていく。それにつられるように饒舌に言葉が紡がれた。
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