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2人が手足を拘束するひもをほど いてくれる間も、もう俺は何にも考えられないくらいに疲れていて、頭の中は限界を超えた絶頂の余韻でぐちゃぐちゃだった。

半分意識の飛びかけた俺を不安に 見るトシヤさんとは対照的に、先輩が俺を見つめる熱っぽい目をぼんやりと覗き込む。

「――おい、おいおいおい、」

トシヤさんがなんだか焦ったような呆れたような声を出したのはなんでだろう、とぼんやりする頭で考えていたら、俺の脚の間に先輩が割りいってきた。

「ユウ、ごめん。ここまでにしようと思ってたんだけど――我慢、できない」

あれ、何するんだろうと思った瞬間には先輩の熱い熱い吐息が俺の耳にかかり、触ってもいないのにすでにドロドロに熱く溶けきっている後孔に、それよりもっと熱い、質量をもったものがねじ込まれた。

「ひぃッ やああああ! そこだめえ…ッ! そこっ今、そこっダメな、のっ!! そこっ、あぁっ、そ、こ、やっらぁあッ!!」
「――ッは、ぁ…! っユウの、中―― 熱くて、…どろっどろ、」

一呼吸もおかず、一気に奥まで突き上げてきた先輩は、すぐに俺の イイところを探し当てる。含み笑いみたいな吐息を耳に吹き掛けられて、ぐちゅぐちゅとかき混ぜられると俺の中の、まだ引き起こされていない快楽の部分に火をつけられていくような気がした。

もうトシヤさんがみているとかそんなことはどうでもよくて、ただただ俺の身体は先輩のを締め付けていく。

「はぁぁああッ! カズ、カズ、カズっ――!!」
「ユウ、かわいい…かわいい、すごく…っ俺 の名前、もっと呼んで――?」
「っああっやッあッ! カズッ、そこっ、ばっかぁ…っ突いちゃ――嫌ァっっ!」
「ん? そこ、ってどこ? ちゃん と言って、ユウ」
「っ奥のッ、コリコリッした、と…こっ!」
「ここ? ねえ、ここがダメなの? ユウ、ちゃんと名前で言って」
「ぁあああっああッ! ぜん、りつ――腺、前立腺…だめなの! あっひぁっそ、こ――っ!」

俺は今までできなかった分、先輩にぎゅうとしがみついて玩具みたいに声を出しがくがくと揺さぶられる。

さんざん責められていい加減ヒリヒリしてきた乳首をやわやわと舌で舐められると、足の間で再び熱を持ったものが立ち上 がってくるのを感じた。おいおい三度目だよと思いながらも、身体はこれまで以上の放出を求めて先輩にすがりつく。

「あああっ、もっ、イクっ――カズ、イっちゃう! またいっ、ちゃ――ぁあっああ!」
「――っく、ぁ、ユ…ウ、まだ…我慢っして……!」

そういいながら先輩はさらにガツガツと前立腺に先端を当ててくる。かなり余裕がなさそうだったけど、がむしゃらに突いてくるんじゃなくてちゃんと緩急をつけて、俺の感じる責め方をしてくれる。

もう我慢なんてあと一瞬も持ちそうになかったけど、先輩にもっともっと気持ち良くなってもらいたい、なんて朦朧とする意識がギリギリのところで俺を引きとめる。

「カズ、ッカズ――!! っあ、イ、ク…! カズっカズ、カズ、カズ……!」
「はっあ――ッッ、ユウ、いいよ…イって、ユウッ」

3度目の射精の準備がすっかり出来上がっている俺のチンコを扱きあげ、とどめとばかりに乳首をまた吸い上げられた瞬間に、目の前が真っ白になった。一拍遅れて、腰の奥から脳髄にかけ登るような快感に襲われる。

「―――っあ゛、っああ、あっああ、やぁっああああ―――ッッ!!!」
「っん゛、っあ―――っは、ぁっ」

先輩の形が分かるくらい締め付けながら、俺は今日一番濃いのを先輩の手の中と、自分の腹の上にぶちまけた。同時に先輩の身体が硬直し、熱いものが俺の中に叩きつけられる感覚。

下手したら十数秒の間、腰を押しつけて、俺のを握ったまま、びくり、びくり、と痙攣する先輩を感じながら、吐きだされるものを俺の中で受け止め続ける。

「……は、ぁ、せん、ぱ…」
「――ユ、ウ、」

ようやく先輩の身体が脱力して、チンコが解放されるとまともな呼吸を少しずつ取り戻すことができる。

先輩の、俺に負けないくらいの荒い息がぜえはあと耳元にかかるのを感じながら、いつの間にか眠りに落ちていった。



「トシヤ、俺たちが本番始めたから気ぃ使って帰ってたらしいよ」
「そりゃそうだよ。いくら両刀だからって他人が本番始めたら帰るでしょ」
「いやーそれで、帰りにこれ借りたらしくて」
「――先輩、なにそれ」
「んー? いいもの、」
「…は!? おいまたAV押し付けられてんのかよ!」
「今回は4Pモノだよー」
「っざけんな!」

嬉々としてAVを観る先輩はちょっと新鮮だった。




(次:あとがき)
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