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「――、ユウ、気持ち良かった?」
「…先輩っ、ひど――っ」

大学生にもなって快感と情けなさで半ベソをかいている俺に、優しく声をかけてくる。どうしてこんなことをするのか、先輩の意図が全くわからなくて俺は泣きじゃくる。

「も、これほどいてぇ…っ、目、も、とって……よぉっ」
「だめだよ。こっからが本番だからね」

まだなにかあるのか、と身をこわばらせていると、気配が二つ、俺の両隣に移動した。

微かな吐息を胸に感じた瞬間、俺の乳首が熱くて柔らかいものに包まれた。

「やあああ! っなに、なにこれぇ! ひっあッ、やめっ、――んあああ!」

散々指で弄くられて痛いほど固くなった乳首が、唾液をたっぷり含んだ舌に、 まるで傷を癒すかのように優しく、だけどねっとりと愛撫される。

すでに1度絶頂を迎えた身体は、どんな快感も逃すまいと舌の粒ひとつひとつの刺激すら両の乳首から俺に与えてくる。

「…ユウ、きもち――いいでしょ。腰、ビクビクして…っる―――見て、」
「っああ、あっ…え、――――っ!」

突然、目の前に光が差し込んできて、眩しさに視界がくらんだ。見て、と先輩が言った意味もわからずに、俺は咄嗟に顔を上げて自分の体に起こっていることを確かめる。

「ちょっ、せんぱ―――っ!! トシヤさんなにやってんの!?」
「おーっす。ユウちゃん、お邪魔してるよー」

先輩と、なぜかトシヤさんが俺の体にとりついてニヤニヤと笑っていた。あり得ない。こんなことあっていいわけがない。先輩に無理矢理AVを貸し付けるような人間がこんなところで俺の乳首を舐めているはずない。

「あれ、言わなかったっけ? 俺両刀なんだよねー。ユウちゃんかわいいから、ちょっとお邪魔させてもらっちった」
「良かったなーユウ、夢がかなって」
「はあ?夢って――ひっあぁ! も、それ、やっめ、っあ!」

再び乳首をぬらぬらと舐められて腰が跳ねる。裸でベットに張り付けられて、大好きな先輩と、普段からふざけているけど、なんだかんだで顔立ちは整っているトシヤさんのいやに赤い舌が2枚、俺の肌の上を這いまわる光景に頭がくらくらする。

そして思い出した。トシヤさんの顔。男2人に乳首舐められてるこの状況。

『……ちょっと、気持ちよさそ』
『何、お前、乳首舐められたいわけ?両方同時に?』

…んな、アホな。

つまり先輩は俺の独り言を真に受けたのかただ単に思いついちゃったのか知らないけど、乳首を両方舐められてよがっている女優を見てちょっとだけ羨ましいと思った俺のために実は両刀使いだったトシヤさんに頼んでまでこんな状況を作り出したのか。アホだ、先輩はあほだ。

「ユウちゃん…っ、かわいすぎ――俺、ちょっと…やばいかも」
「すげー感じてんじゃん、ユウ。お前、今とろっとろに溶けた顔してる」
「あっ、ちがっう――! やめて、っは、ああ、あっ、あっッ!」

「なんで? こんな恰好して、男2人に乳首舐められて、体中ビクビクさせてんのに――嫌なの、ユウ?」
「ユウちゃん乳首コリッコリ――気持ちいいっしょ、これ」
「ああっそれだめっ! それ、――だめぇっ! とれちゃ、あ、やっ、取れちゃぁ――ッッ!」

トシヤさんが舌の先をとがらせて、乳首をころころと転がす。負けじと先輩は、下からずるりと舐め上げるように胸全体を巻き込んで摩擦してくる 。左右バラバラの動きが、バラバラの快感を送りこんでくる。

おまけに2つの綺麗な顔が上目遣いで俺を見ながら、いやらしい言葉を交互に投げかけるもんだから、体中の血液がそこに集まっているみたいに敏感になっていく。

「ユウがこうされたい、って、言ったんだろ?」
「ちがっそれ――はっ! あっあっあっ! しゃべら、ないっでっ――ッ、」
「でも、こんなに気持ち良さそうなら、嫌じゃないんだよね? 嬉しいんだよね?」
「わか、な――あああっ! だめっ! だめ、ぇ…っ変、に、なっ――る…!」
「いいよ、もっともっと変になって、ユウ―――」
「ひあああああっ!? や、はなして! そこ、そこだめ、っぁあっあやッ――ああっんああ!」

先輩が乳首を舐めたまま、手を下に伸ばして俺のチンコをぎゅ、と握りこむ。そのままゆるゆると上下に扱かれると、体中に電気が走って俺は暴れることもできず紐を握りしめて身体を硬直させる。

「うわーカズ、えげつな。ユウちゃん涎垂らしちゃってるよ。あー俺も彼氏作ろうかなあ、乳首が敏感なやつ」
「ユウはやらねーよ?」
「――っぁ! ―――ッッ! ――や、あ、あっ、カ、――ズッ、カズ、カズ、やめ、やめてっ、変、おかし、く…!」

指で両方の乳首を弄られながらチンコを舐められたことはあっても、二人に乳首を舐められながらチンコを扱かれたのはさすがに初めてだった。

先輩がチロチロとはじき、トシヤさんが先端だけをざらざらとひっかける。もうどっちがどっちだかわからなくなくなった頃、乳首をちゅ、と 引っ張られた瞬間にこれまでにない感覚が生まれて、背をのけぞらせた。俺の弱いところを見つけた2人は、ここぞとばかりに両方同時に同じ責め方を始める。

これ以上肥大しないだろうというそれをさらに吸い上げ、むき出しになった神経を口の中でねろねろと捏ねまわす。絶えず送り込まれる刺激で、どこまで行っても昇っていくような甘い甘い快感が俺を突き上げていく。

「ああっ! ああ、あっ! あ、イク、いっあぁあっやああああっ ――!」

二度目の絶頂は最初よりも長時間続いたように感じられた。射精が続いている間も2人は相変わらず、いや、さらに 粘っこい愛撫で乳首を責め立てるから、紐にすがり、両足はつま先まで伸ばし切って、それでもとても逃しきれない快感に腰が浮いて自動的に乳首を差し出す形 になる。

2人はそれをさらに吸い、舐めて転がすから、次々にフィードバックされていく快感にまともに声も出せずに喘ぎ続けることしかできなかった。

「―――っ は、ぁ、ぁッ…や、あ―、っ!っも、ぉ、」
「―――すご、イったね…ユウ」
「ちょ…これ大丈夫なの?」

涎と涙で顔をぐちゃぐちゃにして、体中をぴくん、ぴくん、と震わせる俺にようやく満足したのか、2人は身体を離してくれた。
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